駆けある記

自治体における子どもの貧困対策・公開シンポジウム

こんにちは、練馬区議会議員とや英津子です。今朝は練馬駅で朝の宣伝を行いましたが、まだまだ寒く、日陰は特に手もかじかんでしまうほどでした。

さて、1月31日(日)に立教大学で自治体における子どもの貧困対策・公開シンポジウムが行われ参加してきました。主催は、こどもの貧困プロジェクト・自治体施策研究会。

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地元での仕事を済ませ会場へ急ぎましたが、太刀川記念館の多目的ホールはすでに一杯で、私は予約しなかったので追加で設けられた椅子に座っての参加になりました。後で知ったのですが、参加者は自治体の職員も多く、中には福島から来た人もいました。

このシンポジウムは、子どもの貧困対策推進法の施行により、各自治体で「子どもの貧困対策」への取り組みが進むもと、実態把握のために独自の調査を実施して計画策定に取り組むなど、先進的な取り組みをしている自治体からの報告を受けるものです。

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 沖縄県の取り組み

沖縄県(都道府県)、横浜市(政令指定都市)、足立区(東京特別区)それぞれがどのような取り組みをしているのか説明がありました。

沖縄は実態調査の結果を琉球新報、沖縄タイムスがそれぞれ大きく取り上げるほど子どもの貧困が焦点になっています。経済的な理由で必要な食料を買えないことがあった世帯は、ひとり親世帯で43%、両親がいる世帯でも25%に上っていることが、実態調査で明らかになり、命を支える食料さえも十分買うことができない沖縄の子どもの貧困の深刻さが浮き彫りになりました。

わたしが気になったのは、県内の子どもの貧困率は全国(16.3%)を大きく上回り29.9%。ところが、就学援助の受給率は相対的貧困基準未満の世帯のうち小1では、57%が利用していないのです。厳しい世帯を支援する制度が十分活用されていないのです。

6年間の計画期間で(仮)「子どもの貧困対策推進計画」を策定しています。

横浜市の取り組み

横浜市は昨年6月~9月で実態把握のための調査を実施。(仮)「子どもの貧困対策に関する計画」素案が発表されています。

特徴的なのは、市民アンケート、対象者アンケート、支援者ヒアリングと三者への調査、特に支援者への聞き取りです。

日頃から困難を抱える子どもや家庭への支援に係わっている区役所職員や施設等の職員、学校の教員やNPO法人など、計17の機関・団体等に対して実施しています。子どもにや家庭に寄り添ってきたからこそ見える、言えることがあるのだと思います。また、計画の対象を20代前半までとしており、貧困の連鎖を断ち切るという姿勢が見えてきました。

横浜で中学生勉強会のボランティアをしている学生さんの質問では、中学生をみていて食の問題が課題ではないかという指摘がありました。実際横浜は学校給食を実施しておらず、原則は弁当です。持ってこない子は配食を有料で頼めるそうですが、経済的に困難な子どもはどうするのか…。報告した市の職員は特別な配慮をすると答えていましたが、具体的なものではありませんでした。 計画は5年間。

 足立区の取り組み

足立は子どもの貧困対策担当部を立ち上げ、4人体制で取り組んでいます。子どもの貧困を家庭の経済的な困窮だけでなく、地域社会における孤立や健康上の問題など、個々の家庭を取り巻く生育環境全般にわたる複合的な課題ととらえています。23区でも就学援助受給率の高い自治体ですが、子どもの健康面からのアプローチがあります。特に歯科検診の追跡調査。一年経っても虫歯の治療がされていない家庭の子どもを医療機関に連れて行った例もあると聞きました。貧困との相関関係を調べているようです。

23区の一つなので、実施している施策にそれほど差はないように思えますが、多角的に実態調査をして対策を打ち出し計画を立てています。練馬区は貧困の実態調査もしなければ計画もないので残念です。

このシンポジウムを聞き、多くの人たちが子どもの貧困を真剣に考え、何とか解決しようと日々努力していることが強く感じられ、未来の主権者である子どもたちが本当に幸せな環境のもとで育つことができるように、今後も多くの人たちと力を合わせようと思いました。

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