駆けある記

都立大泉桜高校へ-熱中症を考える

こんにちは、日本共産党練馬区選出都議会議員とや英津子です。
土曜日の午後からは、党区議団の島田拓、坂尻まさゆき両区議とともに生徒25人が熱中症で病院に運ばれたり、保健室で休むなどの事態になった都立大泉桜高校へ。
現場の視察に先立ち、区議団とともに熱中症対策で申し入れをおこなっています。
今日はその現場の検証に伺いました。

当日はどうだったのか
この事態が起きたのは7月19日で、普段の年ならまだ暑さは本番とはいえない時期でした。
安全教室ということで約1時間、動画を見せながら、講師を呼んでの講演会でした。
校長先生の説明では、水分補給と具合が悪くなったらすぐに隣の職員室へ行って休むことを許可していたとのことでしたが、途中で不調を訴える生徒が出て職員室や保健室で休ませ、中でも強い症状を訴えた生徒は10名。救急車を呼んだが、タクシーが速いということで3名が先に光が丘病院へ向かいました。
到着した救急車で5名も光が丘病院に搬送し、残り2名は順天堂練馬病院に運ばれました。その他の生徒は職員室と保健室で休息をとっていたようです。
さいわい全員が軽症で済み、生徒全員が家に帰り、17時には安全確認ができたそうですが、本当に大事に至らずに良かったと思います。
体育館では・・・
体育館に行くと、温度計が示した数字は37,9度、湿度51%。
7月19日の朝は32度で、11時頃には38度になっていたそうです。
もともと風通しが良くないうえに、体育館はどの学校もそうですが、屋根の板がそのまま天井になっているので、太陽が直接照りつけ、熱がそのまま館内の温度を上げています。
四つの大型扇風機がおいてありますが、熱風をかきまわしているようでした。
この状態の中に700人の生徒が集まれば、当然温度や湿度は上がるでしょう。
空調機の必要性を強く感じました。
同時に、学校の判断も重要です。文科省からは熱中症対策について数回にわたり、都道府県あてに通知が出ています。
昨年までは、これまでは、という認識でいると判断を誤ることになりかねません。
大泉桜高校は、普段から冷えピタや保冷剤などを備えていたそうで、とても助かったようですが、それ以前に講習会の開催の是非についての判断がどうだったのか。学校や教育庁のさらなる深い検証の必要性を感じました。


特別教室にクーラーは必要です
他の教室もまわらせていただきました。
この学校は美術が盛んで、多くの作品が廊下や至る所にかけてありました。
ところが、肝心かなめの美術室には空調がついていません。
今、都立高校は特別支援学校が先行してクーラーの設置が進んでいる一方で、それ以外の高校は特別教室には整備されていない学校が多いのです。
汗をふきながら、創作活動をする生徒の姿が目に浮かびました。
以前は、区議会で普通教室へのクーラー設置を求めても、与党からは、そんなものはいらないとヤジが飛び、教育長は絶対につけない、子どもは自然がいいのだなどの答弁が返ってきたものですが、そんな事は言ってられなくなりました。
環境に負荷をかけない社会を
今日の異常気象を招いた原因は、先のことを考えずにひたすら経済活動を優先し、CO2を排出してきたことなど国の責任は本当に重大だと考えます。
当面、風の道やクールスポットの確保、遮熱性舗装の推進、建物の外壁等の断熱化をはじめとしたヒートアイランド対策を抜本的に強化するとともに、ヒートアイランドを招かないまちづくり政策に転換すること。
そして何よりもCO2削減をはじめ地球温暖化対策を強化することが重要です。
子どもたちの教育環境を整える。これは国の責任であり、都や区市町村の責任です。学校で熱中症になるような生徒を二度と出さないためにも、早急に対策をとるべきです。
(右の写真は文部科学大臣賞を受賞した生徒さんの作品です)

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