駆けある記

朝霞駐屯地問題で防衛省へ

 参院選直後の7月15日、平和団体の方々と一緒に朝霞駐屯地問題で、防衛省に向かいました。
 照りつける暑さの中、防衛省前で待ち合わせ8人のメンバーがものものしい警備を通り抜け、防衛省ビルの外あるエスカレーターで、ビル内へ案内されました。
 この交渉は、今年2回目になります。前回私は参加できずにいましたので、初めての参加です。
朝霞駐屯地は、かねてから騒音・振動被害、環境問題など周辺住民の方々から苦情が出ています。世界は今、軍縮の流れが進んでいるのに逆行する動きも重大です。
 また、この日参加した方の中で防衛省が勝手に政党所属員の肩書きを名簿に掲載していたことも、後日発覚し、重大な人権侵害が発生したことを受け、8月初旬に抗議行動も予定しています。
 以下質問と回答をご紹介します。


第二回防衛省交渉
陸上自衛隊朝霞駐屯地における一部訓練中止を求める質問書と回答

2010年7月15日 日本平和大会練馬実行委員会
〒176-0023東京都練馬区中村北1-6-2東京土建練馬支部会館 練馬労連内
℡:03-3825-7146 fax:03-3825-7117
(太字ゴチックは防衛省回答など)
防衛省参加者 地方企画室 飯田史記さんが窓口 時間20分予定。若干延びました。
   運用支援課 高村
   人材育成課 田村
     文書課 小泉
      〃  木下
人事計画・補任課 中野
    〃    和田
環境対策室    中村 
 
防衛省職員の名簿は公表しないので以上の7名は防衛省の飯田さんが実行委員会へメモ書きしたもの。
実行委員会参加者はジャーナリスト・女性団体・平和団体など8名(参加者名簿は事前に肩書き付で防衛省へ提出)
2月8日、貴防衛省からのご説明、お時間を取っていただき感謝申し上げます。
多少の疑義などの生じる部分について再度お聞かせください。
以下は防衛省情報公開による文書や新聞などで拝見したものです。
朝霞訓練場使用実績によれば平成17年度射撃日数132日・人数1万1482人。平成20年度射撃日数329日・人数2万4845人(7月より至近距離射撃場新設、8月より縮尺射場再開が加わる)。自衛隊員の人数も削減されているにも関わらず平成20年度の訓練実績が2倍超になるのか。軍縮の時代に疑問を生じます。
 平成21年1月14日琉球新報は「陸上自衛隊第一混成団(那覇市)の実弾演習が可能な射程3百mの沖縄射場が完成、年間200日延べ7千人がライフルや機関銃などの小火器の訓練を行い、射撃検定に使用する。武内誠一陸将補は屋内射場なので、雨水による鉛汚染や射撃に伴う騒音の心配もなく、周辺への安全・環境汚染への十分な配慮がされていると、安全性を強調した」とあります。同年8月25日付けあづま(東部方面総監部発行広報紙)は「相馬が原演習場に続き12旅団に二ヶ所目の至近距離射場(屋外)が新設。環境問題への対応として鉛対策のための排水設備、排弾回収を容易にするために停弾提を保護するバックストップを設置した」とあります。双方とも市街地の朝霞射場と違い山間部です。
 
大臣官房環境対策室・文書課の木下さんや下田さんなどより「射撃場場内や周辺に飲用の井戸が存在していない、黒目川にも排水していない」とご回答いただきました。「周辺に飲用の井戸が存在しない」とした根拠となる調査データーの公表してください。
私どもがその後調査したところ、射場より350メートル付近の新座市畑中の工場において地下水をくみ上げ飲用に使用していること。訓練場に隣接する朝霞市膝折の氷川神社の飲用不可と表示のない「手水」は湧き水を使用し、訓練場に隣接する新座市営霊園も地下水をくみ上げ利用している実態が明らかになりました。朝霞射場付近は武蔵野台地の関東ローム層であり大変複雑な水脈です。汚染された鉛がどこをどう通ってどの地下水に流れ込むか未知数の部分があります。調査して屋外射撃の中止を要望します。
【回答】文書課 中村
   屋外実弾射撃場周囲80メートル以内に井戸がない。土壌汚染は無い。データーは不存在。
 屋外実弾射撃場での実弾の回収はその日のうちにしているので安全、雨水のシートかけもしているので鉛の汚染を防止できる安全だ。
      回答はすべて口頭。文書回答は一切なし。
   実行委員会コメント: 住民の切実な陳情書も今回の質問書をまったく読んでいない、誠実な回答になっていない。
爆発音を発する訓練について東京都や埼玉県に通知しているのでしょうか。通知されていなければなぜ通知されていないかご回答ください。
   【回答】人材育成課 田村
      近隣自治体の練馬区や新座市などへ通知している。
実行委員会コメント:質問に答えてない。
市街地での屋外射撃について屋内射場が新設されたので屋外射撃を新設された屋内射場でできないのか問い合わせたところ、防衛省の職員から「私もそう思う。確認する」と返答いただきました。屋外から屋内射場への転換は可能なのかご回答ください。
   【回答】人材育成課 田村
 屋外実弾射撃場は連続射撃(機関銃)だ、新しくできた屋内射撃場は連続射撃に適さない、だから屋外を屋内へ変えるのは困難だ。
実行委員会コメント: 防衛省の全国的に環境問題を軸に屋外から屋内と言う流れだが答えになっていない。
朝霞射撃場13m縮尺射場の閉鎖された年月日と再開された年月日をご回答ください。屋外実弾射撃が再開された時点で自治体へ訓練通知は提出しましたか。閉鎖された時期はどの演習場で屋外実弾射撃(縮尺射場)を実施されていたのかご回答ください。
   【回答】人材育成課 田村
      閉鎖ではない、ある事情で使用していなかった。訓練は通知している。
実行委員会コメント: 年月日を答えない質問に答えていない。
本年3月8日、朝霞訓練場射場において屋外の実弾射撃訓練が実施され、丸に火の字の標識を掲げた弾薬輸送車前で喫煙する隊員の姿を射撃場内で見かけました。東部方面総監部地域連絡調整課に写真を届け事実確認など調査していただいています。自衛隊の「法」や「達」「規則」において防衛省は安全管理をどのように実施されているのかご回答ください。
   【回答】人材育成課 田村
 火薬類取締法にのっとり安全に実施している。たしかに3月8日の写真の喫煙の件、承知した、射撃場に弾薬を置いた後、火のマークをつけたまま、弾薬輸送車の前で喫煙していた。よって、弾がないので安全だ。住民に誤解を与えた。今後つつしみ気をつける。
   実行委員会コメント: 撮影した写真が生かされて感謝します。動かない証拠だと感じた。
「行事における大砲が必要かどうか考える」というご回答でした。2009年7月17日、朝霞訓練場にて105ミリ榴弾砲10発の通知が練馬区役所に届けられ、速やかに、7月17日練馬区に届けられた内容について私どもに情報提供されました。後日私どもが朝霞駐屯地に問い合わせたところ泉一成東部方面総監の離任式であったことが明らかになりました。総監の離任式に大砲の空包発射は初めてです。大砲の空包発射を中止することを重ねて要望します。
    【回答】文書課 小泉
       大砲は使用するたび検討する。
実行委員会コメント: 前向きに検討していただきたい、感謝します。
ご回答のなかに「観閲式の展示飛行ですが、何時に飛ぶということを皆さん方にお知らせするのは当たり前なことです、周知させていただきたい。」とありました。航空機の低空飛行を中止することを重ねてお願いします。訓練場南側に新設される新座公務員住宅への配慮はどのようなことがありますか。低空飛行を中止するとか戦車の走行を中止するとかお願いします。訓練を実施される場合に新たに隣接する新座公務員住宅や周辺町会・自治会等へも訓練通知を情報提供されるのかご回答ください。
     【回答】文書課 小泉
 航空機の安全に考慮する。周辺自治体や町内会・自治会などにも通知する。(徹底するよう私のほうからも朝霞駐屯地へ言う)
   実行委員会コメント:町内会や自治会は初めてであり感謝したい。
  参加者の声: パイロットの顔が見えるくらい低く飛ぶ。老人ホームや障害者の施設がある不安でいっぱい。民家の上を飛ぶので騒音で赤ちゃんが泣いたり、学校の授業ができなくなる。
 最近は夜中の2時や3時にも飛んでいる、市街地で危険な基地と隣り合わせで30年間暮らしている。
 練馬区へヘリコプターの騒音苦情が殺到した。もっと陳情の内容を真剣に考えて住民にきちんとした回答が欲しい。
        回答についてどこが決済を出しているのかの質問に 防衛省は官房長と回答。
汚染調査問題関して住民は防衛省は自治体が汚染調査して基準値が超えている場合、防衛省は汚染源の調査はするだろう。自治体が防衛省に相談すれば防衛省で調べます。汚染について必要があれば調査する。
 岐阜市の自衛隊実弾射撃場でも今回防衛省のかたがおしゃるように弾の回収やシートかけ安全に実施していた。提出した署名にも書いてあるように基準値の520倍の鉛を検出している。全国でも環境問題で屋外から屋内の射場を作るなどして防衛省でも自粛している、何故朝霞の実弾射撃場が中止にならないのか。朝霞は実弾射撃ですから鉛汚染の可能性は大きい。汚鉛染が発生した後では遅すぎる。汚染される前に対策を取るべきだ。鉛に関する汚染調査を実施するということを考えて欲しい。公務員住宅建設でゆれるキャンプアサカのダイオキシン問題も気になる、射撃場の鉛汚染は蓄積されるきちんとしてください。
        これらの数多くの意見があり、短い時間では防衛省も答えられず、次回持ち越しになった。

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