区議会第一回定例会で上程されている議案の一つに、「女性センター条例の一部を改正する」議案があります。
私が所属する企画総務委員会で審査していますが、名称変更をするだけなのかというとそうではなく、その目的も変えるというのです。
もともと婦人会館として設置された会館ですが、その後女性センターと名称を変更し、女性全体の地位向上と男女平等をめざし、その活動拠点として今日まで至っています。
この間、DV問題や女性全般での相談活動、学習会などの開催を通じて区民への啓発を行ってきていますが、まだまだ日本では女性の地位向上をはじめとした男女平等が実現しているとは言い難い状況です。
実際、国連では女性差別撤廃委員会から勧告を受けています。日本では男女平等を憲法でうたっているにもかかわらず、女性に対する差別の定義が存在しない。差別の定義を国内法に盛り込み、非嫡出子など民法上の差別、人身売買や従軍慰安婦問題への取り組みの是正を強く求められているのです。
女性が仕事の上で努力し、管理職として活躍している例など一方ではありますが、まだまだ一部にとどまり、賃金や職務上の差別は改善が不十分といわなければならないような状況です。
ところがこの間「女性センターは男性が使いづらい」「なぜ女性センターだけなのか」などと問題をすり替えるような議論があり、さらに男女平等はすでに実現しているなどとの声におされ、今回の条例改定へとすすんだのではないかと考えざるをえません。
審議の中で、男性の利用の制限を緩和することが明らかになっていますが、男女がともに共通認識を持ち、男女平等社会の実現を目指すという意味であれば、利用方法を定めた要綱改正ですむわけで、なにも目的まで変えることはないのです。
現在の目的は以下のとおりです。
「この条例は、練馬区立練馬女性センター(以下「センター」という。)の設置、管理、運営および利用について必要な事項を定めることにより、女性の社会活動を促進し、女性の地位向上に資するとともに、あわせて女性問題の解決に寄与することを目的とする。」
これで何がいけないのでしょうか。
目的の変更は国の男女共同参画基本法の前文から引用されていますが、女性の地位向上の文言も女性問題の解決もなくなっています。本当に男女平等社会をめざすのであれば、女性センターなどの活動拠点の強化が求められてこそいるのに、その役割を薄めてしまうような危惧を覚えます。
私は、企画総務委員会で条例改正に反対を表明しました。
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