こんにちは、日本共産党練馬区議会議員とや英津子です。
区議会は明日が最終日。この数日間は公明党区議による共産党への攻撃に関連して、議長への申し入れ、記者会見とめまぐるしい日が続きました。野党5会派は共同して、今回の事態に対し、公平・中立、民主的な議会運営を求め議長不信任決議を提出します。
今日は、一般質問の続き、保育園問題を紹介。ひどい答弁です。
保育園の委託・民営化について伺います。
区政改革素案の中では、区立保育園の委託・民営化を推進するとし、区長は、民営化が究極の目標などとまで発言しています。
なぜ、区立保育園を委託・民営化することに問題があるのでしょうか。
保育事業は、かかる経費の約8割が人件費です。民間委託や民営化で経費を下げられるのは、もともと低い保育士給与がさらに下げられ、経験のない保育士の雇用や非正規雇用を増やすなど人件費を大幅に削るからです。専門性が求められる保育士が長期に安定的に勤められない職場環境では、保育の質が下がらざるを得ません。
区は、質の高いサービスを提供できるとして、早朝や延長、休日などの保育サービスを挙げますが、これは保護者へのサービスであり保育の質の問題ではありません。むしろ事業者にとってはこうした事業を広げるほどそのしわ寄せは保育士の待遇に係わらざるを得ず、保育の質を低下させることにもつながります。
また、委託などにより大幅に保育士が交代すれば子どもたちの成長に影響を及ぼします。特に企業経営の場合、業績が悪ければ、事業からの撤退も十分にあり得ることです。実際に経営破たんによる閉園などの事例が全国で多発しています。こうした問題を区はどう考えているのでしょうか。お答えください。
区が強調する「持続可能な仕組み」も、全国で委託・民営化が進められてきた結果、保育士全体の賃金が下がり、保育士が確保できない事態を引き起こしています。潜在保育士は全国に約80万人いるのに、来年度末までに約9万人の不足が見込まれています。関係者の調査でも資格ある求職者が保育士につくことを希望しない理由は、「賃金が希望と合わない」が47.5%でトップです。小さな子どもの命を預かる責任の重さに比べ低すぎる賃金や、トイレに行く暇もないほどの忙しさが、保育士を選ばない人が増えた原因だと指摘されている通りです。練馬区でも委託園などでは保育士が見つからず、園長が独自のつながりでやっと見つけている事例など聞いていますが、その一方で、区の保育士を含む福祉2類の採用の倍率は2015年度で13.6倍、5年間の平均でも11.94倍。こうした事態を作り出した大きな要因の1つに委託・民営化があり、持続可能な仕組みとして導入してきたことが、実際には持続できない事態を作り出しているのではありませんか。区の見解を求めます。
同時に、地方自治体が保育園の委託・民営化に踏み出した背景には、国の失政による大幅な借金財政があり、その負担を地方に押し付けるために、税制改正と称して地方交付金を減らし、公立保育園予算を一般財源化してきたことがあります。さらに、今度は、東京富裕論で東京からも財政を取り上げようという中で、いまの区財政の将来不安を引き起こしていることを考えると、委託・民営化方針は、国の失政のつけを子どもたちに負わせているようなものではありませんか。
国の身勝手なやり方にくみせず、しっかりと責任を果たすよう強く求めるとともに、これ以上の委託・民営化はやめるべきです。お答えください。
【堀こども家庭部長】私から区立保育所の委託化・民営化および、保育所待機児童対策についてお答えします。
まず、委託化・民営化についてです。区立保育所の委託化については、本年4月で計画した20所の運営委託を完了しました。
委託化にあたっては、保育水準を維持しながら延長保育などサービスの充実を図ってきました。また、円滑な委託を行うための準備委託に1年間の十分な引き継ぎ期間を設けています。事業者の選定においては、事業者の経営状況などを的確に把握するとともに、運営委託料の算定は、各事業者の給与規定を踏まえた適切な運営費を見積もっていますので、当区においては、ご懸念はあたりません。
保育士不足は、委託化・民営化の進行により生じている問題ではなく、首都圏における保育需要と保育士供給の不均衡に起因するものと認識しています。また、お話のあった倍率は保育士だけでなく、福祉、児童指導を含むものであります。運営委託を開始した以降の数値を見ても、委託の実施と採用の倍率の因果関係はありません。
委託化・民営化は、保育水準を維持しながら保育サービスの向上を図るとともに財政効果を生み出すことを目的として、区が実施するものであり、国の施策に起因するものとは考えておりません。委託した保育所では、東京都の第三者評価や保護者の満足度アンケートでも高い評価を得ています。区ではこれまでの成果を踏まえ、引き続き委託化を進めるとともに、民営化についても、更なるサービスの充実が図られる手法として具体的に検討を行ってまいります。
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