駆けある記

都の福祉事務所がHP改善ー予算特別委員会質疑②

こんにちは、日本共産党練馬区選出都議会議員とや英津子です。

緑がまぶしい季節です。道を歩きながら木々を見ていると、緑にも色々あって面白く、いまの季節は秋と同じくらい好きです。

さて予算特別委員会の質疑二回目は、生活困窮者支援のつづきです。

生活保護対応の改善について

生活保護申請しても、ほとんどの人がほぼ無一文なのに、当然のように二週間かかるといわれています。その間、フードバンクにSOSが来ます。保護を受けても医療券を出し渋られる。持病のぜんそくが悪化して別の病院にかかろうとすると、医療券を取りに来いと交通費もないのにいわれる。郵便で送れるのに、取りに来いの一点張りだそうです。そして、生活保護を受けたくて窓口に行っても、追い返されてしまうということもいまだにあります。
私が現場に行ったときにも、住まいも仕事も失ってネットカフェで暮らす四十代男性が、生活保護申請のために窓口に行ったのに追い返されたという事例がありました。所持金が三千円しかないのに、若いのだから働けるでしょといわれたそうです。行政の窓口で追い返すようなことがあってはならないと思います。都の認識を尋ねました。

この認識についての答弁は…。

〇中村福祉保健局長 都は福祉事務所に対しまして、国の通知に基づきまして、生活保護の申請の意思が示された場合には、申請を受け付けなければならない旨を通知しておりまして、福祉事務所において適切に対応されるべきものであると。

申請の意思が示された場合は受け付けなければならないと。当然とはいえ、重要な認識です。問題は、現実には適切な対応がされていないのです。相談に来た人に申請書を渡さないとか、追い返すことなどしないように、都と区市の福祉事務所に徹底することを求めました。

本来、生活保護の対象者であるにもかかわらず、生活保護受給を躊躇する人たちがいまだに多いことは、憲法二十五条に基づく制度であることからも問題です。
二十代の女性は、メンタルを病み、親にも頼れず、給付金を受け取りながら職業訓練を受けていましたが、体調悪化で離脱。フードバンクの方に連絡をくれたときには布団にくるまっていて、このまま消えてしまったら楽だろうといっていたそうです。食料を提供し、扶養照会があるから絶対いやだといっていたけれど、同行支援で保護受給に至りました。
自己責任を押しつけられ、生活保護を受けることは恥と感じている人も多いです。相談に来た人に嫌な思いをさせてはならないと思います。都として、区市に生活保護申請は権利であることを徹底すべきです。

〇中村福祉保健局長 都はこれまでも、福祉事務所に対しまして、毎年の指導検査等におきまして、生活保護の申請は国民の権利であることを周知しているところでございます。

周知しているとの答弁がかえってきました。

しかし徹底されてはいないわけです。保護申請に行ったら、窓口の男性に急ぎますかといわれて深く傷ついた女性は、急がない人が生活保護を申請するでしょうかと訴えています。真面目に生きている人なのに、おなかをすかせている人たちがたくさんいます。

小池知事には、ぜひ忘れないで欲しい。と求めました。

都がホームページ改善

日本共産党都議団は、生活保護の利用が国民の権利だと呼びかけるよう強く都に求めてきました。その中で都は、昨年ホームページに、「生活保護を受けることは国民の権利です」と掲載するようになりました。答弁でも、各福祉事務所に周知しているということでしたが、現実にはその認識が浸透していない実態があります。
都自身の福祉事務所ではどうでしょうか。東京都の西多摩福祉事務所のホームページ。ここは生活保護は国民の権利だということが示されていません。生活保護が国民の権利だと明記するべきと求めました。

〇中村福祉保健局長 これまでも、福祉事務所に対しましても、国民の権利であることを周知してまいりまして、併せまして、東京都のホームページでも掲載しているところでございます。

このように答弁したのですが、実際には西多摩福祉事務所も島しょ部のホームページも掲載されていませんでした。

福祉保健局長に、きちんと確認することを求め、以下の答弁で約束させました。

〇中村福祉保健局長 福祉保健局のホームページに掲載しているところでございますが、改めて確認いたします。

東京都の現場から徹底していく必要があります。このホームページの記載は、今日にでも改善していただきたい。そして、ホームページ以外の手段も含め、あらゆる機会を活用して、積極的に権利であることを区市に徹底することが重要です。
支援の皆さんからの話では、生活保護を受給していても、事故があったなどで予定外にお金がなくなった人たちから、フードバンクにSOSが来ます。ケースワーカーに相談したが冷たくされた、メンタルを悪化させた方もいます。これでは余計に生活保護に頼らざるを得ないと思います。
生活保護は、救貧制度ではなく人権保障であり、福祉事務所はそれにふさわしい体制を取り、対応することを重ねて求めました。

その後、福祉事務所のホームページは改善され、「生活保護の申請は国民の権利」が明記されました!

3月31日に都から日本共産党都議団に「変えました」と連絡があったことで明らかになりました。全支庁で実施予定です。西多摩福祉事務所ページには「ためらわずに相談してください」の文言も追加。「扶養照会」の記述も「履行が期待できない」場合は「基本的には扶養義務者への直接の照会を行いません」と変えています。

都民の運動や当事者の声、都議団の論戦が都政を動かしています。

 

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