こんにちは、日本共産党練馬区選出都議会議員とや英津子です。
都議団には様々な相談や告発、情報提供が舞い込みます。
10月中旬、都民から都立上野動物園の園内通路がでこぼこしている、以前敷き詰めてあったタイルがなくなっているとの連絡を受け、同じ環境建設委員の田中とも子都議と事務局のAさんとともに現地へ。
動物園に行くのは、何年ぶりでしょうか。子どもが幼い頃、上野動物園や多摩動物園に行きましたが、ほぼ記憶の彼方でした。
園内に入り、指摘された場所へ行くと確かに一部は木製のタイル?が敷き詰めてありましたが、ほとんどがなくなり枠だけで、その上から木製チップが敷き詰めてありました。その木製チップも人が歩くのではげているところもあり、少しでこぼこしています。
タイルをやめてチップに変えた理由を尋ねると、10㎝四方のタイルを9枚一組にするのですがそれが一セット10万円もするそうです。高額だということで、木製チップに変えて休園日ごとに上から敷き詰めているそうです。
なぜ、そんな高価なタイルを使用したのか疑問ではありましたが、来園者が歩きやすいよう、配慮をすることは重要なので、定期的にチップを埋めてくれていることがわかりその点は良かったです。
園内の視察もしました。
今年は猛暑で動物たちの体調はどうだったか聞きましたが、宿舎が温度管理がされ、外はミストなど暑さ対策をして乗り切ったようです。そして毎年開催している恒例の「秋の夜のどうぶつえん」は開催を10月に変更しておこなったところ大盛況だったそうです。
絶滅危惧種のスマトラトラに出会いましたが(写真なし)、人の生活が動物の生活圏を奪い個体減少を招いています。パーム油生産が行われ森が破壊されたために減少しているのです。
◆来園者は年間330万人
上野動物園の来園者は約330万人、動物の種は減っているそうですが教育普及のためのイベントなどで職員は以前と変わらず忙しいようでした。
その仕事に見合うだけの人的配置はどうなのか…。複数の動物をチームで担当して世話をするようになったとのことですが、以前は動物ごとに担当者が決まっていたそうです。しかしそれではスキルの引き継ぎがうまくいかないため、やり方を変えたようです。
職員の育成も苦労がありそうでした。学校を卒業して夢に見た飼育員になっても自分の思った仕事ではなかったと辞めていく人もいるそうです。
体制については気になるところでしたが、この日は時間もありここまで。
◆開園143年の上野動物園ー役割を全うして欲しい
143年前の3月、上野動物園は日本で一番最初に開園しました。多くの子どもたちはじめ都民・国民を受け入れてきた動物園ですが、一方で、動物の肉体的・精神的幸福をめざす「動物の福祉」や、生きる権利を尊重し、人間による利用を否定する「動物の権利」も問われています。欧米ではすでにこの考え方が広がり、フランスでは人間のためのイルカショーを禁止する法律ができました。日本でも、札幌市で動物の福祉や保全の取り組みを支援する「認定動物園制度」がつくられたり、各地で保全活動の促進や飼育・展示の改善への努力が始まっています。動物園に期待される役割は、種の保存、教育、調査・研究、レクリエーションと多岐にわたります。とりわけ「動物と触れ合い、学び、保全を広げるのは動物園の役割」と専門家は強調しています。上野動物園も繁殖に力を入れ、雷鳥は園内で繁殖に成功したと聞きました。今後も生物多様性に貢献できるよう期待します。
今年は戦後80年です。動物も戦争と無関係ではなく、檻から逃げ出したらと殺処分されました。戦地に送られた動物もいます。平和が続き、人も動物も大切にされる社会を築くため多くの人たちに動物園の歴史も知って欲しいと思います。
現在、東京動物園協会が指定管理者として運営していますが、これからも都民が動物に触れる貴重な機会を提供しつつ、動物園に求められる役割を全うして欲しいと思いながら園を後にしました。


  






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