第四回定例会最終日 児童館、学童への指定管理者導入議案討論

 今日で、今年最後の区議会第四回定例会が終了しました。
 たくさんの議案を選挙をはさんで審査しましたが、区議団からは区立児童館と学童クラブの指定管理者の指定に反対する討論を行いました。
議案第132号 練馬区立光が丘児童館、議案133号 練馬区立上石神井児童館、
議案134号 練馬区立上石神井児童館学童クラブおよび練馬区立上石神井小学童クラブの指定管理者の指定議案に対する反対討論

                                                       2012年12月21日
 日本共産党練馬区議団を代表して、議案第132号、133号、134号、区立児童館ならびに区立学童クラブの指定管理者の指定議案に反対の立場から討論を行います。
 これらの議案は、区立光が丘児童館には社会福祉法人雲柱社を、上石神井児童館と併設学童クラブ、上石神井小学校に移設される学童クラブに対しては株式会社小学館集英社プロダクションをそれぞれ指定管理者に指定し、議会の議決を求めるというものです。
反対理由の第1は、児童館や学童クラブという子どもの施設に指定管理者を導入することに問題があることです。
 練馬区の児童館は、40年以上にわたり区直営で安定した運営のもとで実践や研究を積み重ねてきた歴史があり、職員が何年もかけて子どもや保護者と信頼関係を築き、児童福祉の増進、子どもの健全な育成の役割を担ってきました。児童館の利用者は、乳幼児から小学生、中学・高校生と幅広く、児童館職員は利用時間帯や場の提供を工夫し、それぞれの年齢、成長段階に応じた遊びや行事を準備し、子どもたち自身が活動の主体となれる環境づくりを行っています。
いま社会問題として深刻になっている子どもの貧困問題や虐待、いじめ、不登校など、子どもを取り巻く様々な困難に対して、児童館や学童クラブも、子どもの福祉に関わる機関として、要保護児童に対する支援や見守りなど関係機関と連携しての対応が求められており、子どもが安心して活動し過ごせる居場所として児童館が負う職責や公共性はますます重要になっています。
指定管理者による運営では、区が本来担うべきこれらのデリケートな問題への対応を事業者が担うことになりますが、施設の運営主体が新しい事業者と新しい職員に交代するため、子どもや利用者との関係が途切れてしまうことは避けられません。また、子どもや保護者、学校・地域との信頼関係を新たに築いていかなければならないもと、指定管理者制度が抱える矛盾である、職員の不安定雇用や低賃金、職員の定着の困難さなどの問題は未解決のままであり、運営の不安定さは子どもたちに大きな影響を及ぼします。
第2に、事業者の選定について、いくつかの問題点があることです。
区は選定理由のなかで、上石神井児童館と併設学童クラブを受諾する小学館について、「特に、実地調査を行った墨田区立八広児童館においては、学童クラブも併設されており、児童館と学童クラブを同時に運営できる実績を持っている」と評価を述べています。
ところが、小学館が墨田区の当該施設の運営を開始したのは2012年4月から、児童館と学童クラブ併設施設の運営も初めてだということが聞き取りの結果で分かりました。
1年に満たない期間、手探りの状態で事故やトラブルが起きないよう安全管理を最優先に運営している現状で実績に値しないにもかかわらず評価していることは重大な誤りです。
また、館長候補者についても、企画提案書では「児童館経験者の採用が十分見込まれる」と選定委員会が高い評価点をつけたにもかかわらず、実際、上石神井児童館には児童館運営の経験のない職員が館長となる予定です。館長は児童館と二つの学童クラブの運営責任者です。児童館運営に求められる水準、館事業をどのように継承するのか、学童クラブ含む施設の安全対策や子どもの主体的活動をどう保障するかなど、根幹にかかわる問題をすべて事業者任せにするのでは教育委員会としての責任が問われます。
さらに、事業提案書の内容が、小学館の様々な実績やノウハウを活かし「自社製品・教材を必要に応じて提供することができる」とあり、公共施設である児童館の運営が営業活動の場につながりかねず、児童館の公共性、公平性を損なうことになりかねません。
こうした問題には一切触れず、選定委員会は「具体的な事業提案が行われている」等の理由で運営するにふさわしいと評価していますが、果たして適切と言えるのか、選定のあり方や信頼性に疑問を感じざるを得ません。
第3に、引き継ぎ期間の短さの問題です。
引き継ぎは、どちらの事業者も、区との協定締結後に引き継ぎを始めるとしていますが、年度末は様々な行事が重なり、新年度に向けた準備で大変あわただしい時期にあたります。
実質わずか1~2か月と短期間のうちに、運営に関わる引継ぎを行い、職員体制を確立する、子どもや利用者の情報、配慮を要する子どもや家庭に関する対応など協議し引き継ぐ、また、学校やPTA、地域との連携もすすめるというスケジュールは無理があります。
実際、3月に入ってようやく館長候補者が当該施設に出向くところも珍しくなく、このままでは事業の継承をふくめ、十分な引き継ぎは望めません。
以上のように、区立児童館への指定管理者導入は多大な問題をはらんでおり、区は子どもの最善の利益を保障し、児童福祉の増進と健全育成に最大限の努力と責務を果たす立場から、これらの議案は撤回し、区直営での運営を堅持することを求め、日本共産党練馬区議団を代表しての反対討論とします。
 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です