駆けある記

高すぎる国保、介護保険料引き下げをー生活相談多数

 区議会第一回定例会では、国保・介護・後期高齢者の各種保険料の値上げが提案されました。
 国保と介護の保険料については、私の一般質問と区議会最終日に反対討論を行いました。
 この問題については、何年も前から保険料が高すぎて払えない人に資格証を発行する、給与などの差し押さえをするなど、生活相談が寄せられています。
 区民のみなさんの命と健康をまもる砦である国保制度については、低所得の方々に配慮した保険料とすることや資格証の発行をやめさせるため、区議団として奮闘してきました。
 また個別の相談にも乗りながら、改善を求めています。
 
 国保の反対討論を紹介します。
  議案第10号 練馬区国民健康保険料条例の一部改正条例に対する反対討論
                                      2010年3月9日
 私は日本共産党練馬区議団を代表して、議案第10号練馬区国民健康条例の一部を改正する条例に対し、反対の立場から討論を行います。
 今回の改正は、国保料の均等割額を39900円から40200円に、所得割を8,09%から8.51%に引き上げるものです。
 これによって、一人当たりの平均保険料は介護分も合わせると、11万2774円です。
自治体が運営する国保は、年金受給者や自営業者、失業者などが加入者のほとんどを占め、他の健康保険と比べ経済基盤が不安定で弱いという構造的な問題をかかえています。 所得200万円以下の加入者は2010年の約8万2200世帯から1万7100世帯も増えて99,300世帯(2011年度)に急増し全体の8割を占めるまでになっています。
 こうした状況のもと、滞納世帯は32,450世帯、短期証は120,59世帯、資格証は4,750世帯と23区でも突出して多い発行数です。滞納世帯のうち、平均保険料以下の低所得者は全体の6割にのぼり、低所得者ほど重い負担に耐えかねている現状を裏付けています。
 昨年4月には、旧但し書き方式へ国保算定方式が改定されて多人数世帯や高齢者、障害者のいる世帯などが負担増による大きな影響をうけました。東京社会保障推進協議会の調査ではこの値上げによって、お金が心配で受診をやめたり通院・検査回数を減らしたり断ったりした人は全体の29%、収入が減った人の35%にも上っており、2010年には無保険や正規の保険証を取り上げられるなど生活の困窮で医療機関への受診が遅れたため死亡したとみられる事例は、全国で71人にもなっているのです。
 低所得者にとってこれ以上の値上げは限界であり、1円でも値上げは許されません。むしろ区民の命と健康を守る自治体として、保険料の引き下げこそするべきです。
 今回の保険料改定で区は、国保医療費の増大と医療の高度化、財政難を理由とし、負担を抑える努力をしたといいます。しかしこの間の説明では、滞納への保険料の徴収強化が必要、保険料滞納者と払っている人の公平性の担保などの説明に終始し、貧困に苦しむ区民の実態について本気で議論している姿勢が全く見えません。
 区長は区長会で断固として保険料の値上げは許さない立場を貫き、23区あげて国庫負担大幅引き上げの大運動の先頭にたつべきであったのではありませんか。
 今、収納率の向上にもつながらない強権的取り立てが国の方針のもとに練馬区でも行われています。
 生活困窮者や未就学児のいる母子世帯などにも滞納を理由に資格証を発行したり、分納相談中の人に対しても、高圧的で払える能力以上の納付を押しつけている現状がありますが、今度の値上げがさらにこうしたことに拍車をかけることになるのではないでしょうか。 国保の財政悪化と保険料高騰を招いている元凶は国の予算削減であり、いまや国保は財政難、保険料高騰、滞納増という「悪循環」を抜け出せなくなっています。
 社会保障・住民福祉として国保制度を再建するのかそれとも負担増と徴収強化の路線を継続・拡大するのか、大きな分岐点に直面している今、国や都に対し補助金・支援金の大幅な引き上げと窓口負担の軽減を求めるべきと強く要請し、反対討論とします。
 

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