駆けある記

人が吸えば即死する濃度の酸欠空気(外環道工事)ー各省庁からのレク

こんにちは、日本共産党練馬区選出都議会議員とや英津子です。

外環道の東名JCTの工事の影響で、付近を流れる野川から大量の気泡が発生しました。気泡が酸欠空気であり酸素濃度が以上に低く、人が吸い込むと即死する値であることも明らかになっています。

今月4日、野川の酸欠空気発生問題で、衆議院議員宮本徹国会事務所による厚労省、環境省、国交省のレクチャーがありました。都議団からは、原田あきら都議、とや英津子の2名。山添拓参議院議員が同席。私は次の予定があり厚労省のみに参加しました。

厚労省には、以下の質問をなげています。回答は赤字。

(1)外環計画東名JCT事業地内における酸素濃度1.5%~6.4%という非常に低濃度の酸欠空気が気泡シールド工法により発生し、野川に大量の気泡として噴出、あるいは何らかの人工的な孔をとおして地下水と一緒に地上へ噴出するという一ヶ月間にわたる事象となった。厚労省の酸素欠乏等防止の所管としては、酸欠対応が求められる案件として考えるか。

 

この場合、労働安全衛生法が適用となるが、河川に労働者がいないので適用しない。

(2)外環計画事業者は、気泡シールド工法は圧気工法に当たらないので、酸素欠乏症等防止規則の適用は受けないと言っているが、しかし、現に酸欠空気が発生しており、今後の対応として地盤面への圧力低下等の対応を示している。厚労省は同規則の適用についてどのように考えているか。

規則24条、S57年通達によれば圧気工法はシールドを使用しないものが含まれる。従って圧気工法にはあたらないので、該当しない。

(3)2の質問に関連して、同規則のS57年基発407号によると、第24条の説明として「圧気工法」と限定せず、「圧気工法等」による酸欠空気発生への対応を求めている。この点において、気泡シールド工法も同規則の適用を受けるのではないか。

気泡シールド工法は圧気工法には含まれない。

(4)外環事業者は5月23日に野川に噴出した気泡が低濃度の酸欠空気であることを確認しているが、東京都や地元自治体に速報していない。東京都に確認したところ、6月29日に「速報値」として知らされたとのことだが、こうした周知体制に問題はないのか。

24条の対象ではない。29条では労基署に報告義務あり。

(5)さらに住民には8月24日にHP上で公表したとのことだが、これほど住民への周知が遅れたのも問題ではないか。

 厚労省の当該事案ではない。

5点にわたる質問の投げていますが、どれも機械的な回答でした。しかし過去、酸欠空気で何人も死亡しているのです。国は酸欠問題において「気泡シールド工法は、圧気工法ではない」だから法令の適用はしないと言い張っていますが、気泡シールド工法はそもそも圧気工法なのではないか。今回のレクで「圧気工法」の定義は国の宿題になりました。人が死にそうになっても法令の適用外だからと逃げられるのでしょうか。

東名JCTでの気泡シールド工法による危険性は明らかです。練馬区では、大泉JCTがどうなるのか、本線工事自体を断念すべきですが、こうした情報を練馬でも生かしていきたいと思っています。

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コメント

    • 塙清子
    • 2018年 11月 16日 10:22am

    この記事ですと厚生労働省との問答ですが、他に環境省・国土交通省でのやりとりを教えていただけませんか。大深度地下法で今10月17日リニア中央新幹線が認可されて、品川区・大田区・世田谷区にトンネル工事がはじまります。

      • とや英津子
      • 2018年 11月 17日 7:34pm

      塙 清子さま

      ブログをご覧くださりありがとうございます。
      外環工事問題でのお問い合わせ、環境省と国交省のやりとりは以下の通りです。ご不明の点は直接日本共産党都議団にご連絡ください。

      環境省
      Q1、酸欠空気による住民の被害の防止をはかる必要があるのではないか。
      A1、世田谷区と事業者から連絡で生活に影響がないことを東京都の環境局に確認している。現場で被害が発生していないか等の把握するのは必要ではないかと考える。自治体が動くというのが、「酸欠空気による住民の被害の防止について」(通達)の趣旨なので、環境省が動くものではない。注視はしていきたい。現場対応は地方自治体の役割であり、都にもつたえたい。

      Q2,労基署からの報告を受けなくても、酸欠空気が発生している時には、環境省としてどのような対応をするのか
      A2、酸欠空気による住民の被害の防止をはかる必要がある。

      Q3、環境省の通達は都知事に対してどのような対応を求めるものか
      A3、事業者に測定をさせる。酸欠空気の漏出を知ったとき、酸欠空気により住民の被害が及ぶおそれがある時には、市町村長を通して住民にその旨を十分に周知徹底する。必要と認めたときは、その場所への立ち入り禁止、割れ目の閉塞等を施行者に要請する。

      Q4、東京とは現在、今回の事象が圧気工法でないことから、3の回答のような対応をとっていない。住民への通知もしていないが、環境省としては圧気工法であるかないかにかかわらず、酸欠空気が出ていたらこの通達に沿った対応をすべきと考えるか。
      A4、この通知はあくまで圧気工法の場合の対応であり、これに沿った対応とはいかないが、現場で被害が発生していないか等把握するのは必要ではないかと考える。自治体が動くというのがこの通知の趣旨なので、環境省自らが動くものではない。
      Q5、今回の事象は今後マシンが事業地外に出ても同じように起きる可能性があるといった場合に、環境省としてはこの現象をどう捉えるのか。検討する姿勢があるのかどうか。
      A5、今回はボーリング痕だと聞くし、引き続き工事も続いていくということであるので、注視していきたい。現場対応は自治体の役割、都にも伝えたい。
      Q6、通達の中で、シールド工法、潜函工法、圧気工法と書いてあるので、気泡シールド工法も対象になると考えられるが、厚労省は気泡シールドが圧気工法ではないというが、環境省はどう考えるか。
      Q7、「漏出している空気は待機に対して微量であり…」の表現についてどう考えるか。大気に薄まれば問題ないとする国交省に、適切な指導をして欲しい。
      A7、今回はオープンスペースに空気が出たが、通達の趣旨としては、地下室や井戸などの通風不十分なところで酸欠空気が発生するとそこに充満して、被害が及ぶということを防止するのが目的なので、その点がこの表現では省略されているのかと思うが。

      国交省
      Q1、野川に分噴出した空気が酸欠空気であることを5月23日に確認しながら、東京都への周知が6月29日と送れた理由は
      A!、周辺の環境に影響があるかどうか確認することが第一だろうとの考え、水質調査の結果が出た6月29日の報告となった。
      Q2、その一ヶ月の間に近隣の地下室や井戸の調査はしたのか。
      A2、できる限り、井戸や地下室の調査をしたと聞いているが、時系列を持ち合わせていないので、その間にやったかどうかわからない。
      Q3、都は6月29日に「速報値」として周知しておきながら、住民への周知が8月24日になった理由は。
      A3、気体の調査および発生メカニズムについて有識者の確認を取ったうえでの報告になった。
      Q4、6月28日の地下水噴出メカニズムからすると土丹層を空気が上がってきて人工的な孔に集まったことになるが間違いないか。
      A4、一部の空気が土丹層を通り、人工的な孔に集まってその孔から地上に分噴出した。

      この他細かいやりとりがありましたが、以上が主旨です。

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