駆けある記

なぜ赤ちゃんの死亡事故がなくならないのか

こんにちは、日本共産党練馬区選出都議会議員とや英津子です。

今月三日におきた練馬区内の認可外保育施設「若草ベビールーム」の死亡事故。

生後6ヶ月の男の子が死亡しました。

園側は、30分目を離したすきに、うつぶせの状態でぐったりしているのを見つけたといいます。

突然わが子を失った親はどんな気持ちでしょう。どんなに泣いても、祈っても、怒っても子どもは帰ってきません。やりきれません。

私は今年6月の第2回定例会で、認可外保育施設の赤ちゃんの死亡事故を取りあげたばかりです。知事は保育の質の向上を目指すと答弁しました。その後たった3ヶ月で同じことがくり返されました。

改めて自分の質問を見直してみました。詳細はまだ明らかになっていませんが、大田区の事故も今回と同じ生後六ヶ月赤ちゃん。保育施設は3年間、毎年都から指導を受けていました。若草ベビールームも同じような状況なのです。

先週は都から短時間、聞き取りをしましたが、本格的な調査は来週になりますが、なぜ赤ちゃんの死亡事故がなくならないのか。切ない思いで一杯です。

保育園待機児問題が解決しないもとで、認可外保育施設が受け皿となってきました。最近では、多様なニーズなどといって株式会社が設立した保育所が増えています。保育の分野の経験が全くない会社が参入する。一方、数を追うことを優先し保育の質は置き去りにされている現状があります。国も自治体も根本から考えを見直す時ではないかと思うのです。

第2回定例会の一般質問は以下の通り。知事答弁のみ紹介します。

二、保育施設での死亡事故等について

 次に、認可外保育所について伺います。
 二〇一六年三月に、大田区の認可外保育施設で起きた生後六カ月の赤ちゃんの死亡事故について、検証委員会の報告書が発表されました。この事故では、都が毎年の立入調査の中で、常時複数の保育従事職員が配置されていないことや、保育の有資格者の数が基準を満たさないことなどを把握しておきながら、改善勧告を出したのは死亡事故の後でした。改善意欲が見られたから勧告しなかったといいますが、有資格者の配置や乳幼児突然死症候群への配慮という肝心かなめのところが、少なくとも三年間満たされないままであったのです。
 意欲があってもなくても、基準が実際に満たされていなければ命は守れません。認可外保育所の指導監督要綱では、都知事の権限として、緊急の必要があるときは、改善指導、改善勧告、弁明の機会の付与などの手続を経ずに事業の停止または施設の閉鎖を命じることまでできるとされていますが、実際にはそれどころか、多くの問題点があっても勧告も行われなかったのです。
 今回の事故は、起きる前に知事の権限を行使すべき事案でした。東京で二度と幼い命を犠牲にしてはなりません、知事の決意を伺います。
 事故検証委員会からは、繰り返し改善指導を行っている事業者について、早期に必要な措置が講じられるよう、指摘事項の改善が図られるための方策や区市町村と連携して、改善勧告等必要な措置が講じられるような指導監督の強化に努めることが示されました。今後の都の取り組みについてお答えください。
 この事故では、ご遺族のお母さんが園のホームページに、保育士二人と書いてあることを信じて子供を預けました。しかし、事故後に保育士は一人もいなかったことを知りました。一方で、都は調査の中で、有資格者がいないことを知っていたのです。
 検証委員会は、都の指導監督状況について、よりわかりやすく情報を公表するとともに、保育サービスを選択する際に、その情報が積極的に活用されるよう周知徹底することを提言しました。
 都のホームページを改善するとともに、指導監督を行っている施設の広報を確認して、事実と異なる記載があれば直すように指導するべきです。いかがですか。
 都の二〇一六年度の認証保育所を除く認可外施設への立入調査実施率は一七・七%、認証は二四・三%、認可では一〇・六%といずれも低く、年一回以上の実施を定めた国の政令や都の要綱に明らかに違反しています。
 非常勤の巡回指導チームが二十名十班体制で指導助言を行うなどの努力はありますが、これは施設の設備と運営全体を調べる立入調査とは別のものです。
 内閣府の発表では、昨年、認可保育園と認可外保育施設で、全治三十日以上の重大な事故は七百五十件、骨折や唇、歯の裂傷など、前年比の一・五倍に上っています。死亡事故は最悪の事態ですが、それ以外の事故も深刻です。法律や要綱に基づいた年一回以上の立入検査を必ず実施すべきですが、いかがですか。

 小池都知事 次に、認可外保育施設に対する指導監督についてのご質問でございます。
 まずは、保育施設で亡くなられたお子様、そしてご家族の皆様に心からのお悔やみを申し上げたく存じます。
 保育施設でこのような事故が発生することは、そもそもあってはならないことでございます。都は、認可外保育施設の保育サービスの質の向上を図って、児童の安全、そして保護者の安心を確保するために、昨年三月から巡回指導を開始いたしておりまして、児童福祉法等に基づきます立入調査も含めて、指導監督を充実強化しているところでございます。
 また、ことし三月には、東京都教育・保育施設等における重大事故の再発防止のための事後的検証委員会から、第三者の視点の導入によります運営の透明化、事業者が改善を図るための支援、指導監督の強化などの提言をいただいております。これを踏まえまして、都といたしまして、認可外保育施設の質の確保、向上を図るために、福祉サービス第三者評価の導入や認証保育所等への移行の支援、巡回指導を行う区市町村への支援などを進めておりまして、今後とも保育サービスの質の向上に取り組んでまいる所存でございます。

 

 

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