駆けある記

コロナのもとでオリパラ大会を考える

こんにちは、日本共産党都議会議員とや英津子です。

今日は、光が丘駅で「コロナ禍なんでも相談会」でした。色々な相談が寄せられています。

最近撮った私のバラと、近所の平山農園で育てているバラを撮りました。育て方が違います。

昨日投稿した文教委員会での質疑について、都民からの陳情質疑なので概要を報告します。

「オリパラ都民の会」から提出された都議会への陳情は、全部で9項目。うち8項目が文教委員会に付託されました。内容は、オリパラ大会を平和の祭典にして欲しい、子どもたちの観戦の自主性の尊重と付き添いの増員、暑さ対策についてはガイドラインを作成して欲しい、選手村へのこれ以上の都の負担はやめよ、スポーツ振興、旭日旗の持ち込みに反対をなど、です。

コロナ前に提出され、オリパラ大会の延期も決まっていなかった時期の陳情です。

今回の議会では、情勢が大きく変わっているもとでの審査だったため、オリパラ延期で選手村がどうなるのか、またスポーツ振興については都の計画の節目でもあることから二点取りあげました。(スポーツ振興は後日)

選手村は13,4ヘクタール、東京ドーム3個分にあたる都有地を三井不動産、三菱地所レジデンス、住友不動産など民間の大手デベロッパーでつくる事業体に破格の安値で売り渡したことで大問題になった土地です。

特定建築者は2020大会までに14~18階建ての選手の宿舎21棟と商業施設を建設し、都から大会期間中の施設の貸付料と選手村として使用するための内装工事費、大会後の原状回復費用を受け取ります。

すでに今年一月から賃貸契約期間がはじまっており、予定通り大会が開催されれば、12月31日で契約満了となるはずでした。この一年間に支払う賃貸料金は38億円と消費税合わせて41億8千万円です。

この質問をつくる際に、都に特定建築者と都の契約書を開示請求しました。そこには、契約の「更新はしない」事。「途中の解約は認めない」ことが記載されています。

オリパラ延期は、選手村を含む市街地再開発事業にも影響します。一年延びれば再開発事業もずれ込み、なによりも分譲マンションの売り出しに影響が出るといわれています。

変更を余儀なくされている選手村と市街地再開発事業ですが、大会延期にともなう影響はどうなるのか、来年も借りることができるのか、何らかの違約金はあるのか。と問いました。

これに対してオリパラ局からの答弁は「大会延期にともなう影響については、現在、特定建築者、組織委員会などの関係者と協議中」との答弁。

すでにIOCは追加負担を約850億円と一方的に決めているとき、3000億円ともいわれる延期にともなう費用を誰がどのように負担するのか。今後の協議は極めて重要です。

陳情者の願意はこれ以上都民の税金を使って欲しくないというものです。

では、これまで都は選手村にどれだけのお金をつぎ込んできたのか。質問しました。

大会時内装新設工事及び解体工事等の契約金額が約445億円、メインダイニング整備費約57億円、ビレッジプラザ整備費約24億円、その他の架設整備費は約85億円です。さらに、選手村宿泊棟のルームエアコンリース代金を支払いますが、これは組織委員会のパートナー契約になっているため、非公開です。との答弁。

金額が分かっているものだけで、合計約600億円になります。さらにこの選手村の造成費用も都が出していて500億円。1100億円以上の都民負担がすでに生じているということです。エアコンがパートナー契約となっていることで都民に金額も示さないのは本当に不当です。都議団はパートナー契約もすべて公開にすることを求めて来ましたが、いまだに非公開のものが多く残っています。

これ以上の支出はあるのか?問いただしました。

局は、選手村で計画していた仮設工事はすべて発注済み。今後運営上必要になる備品などは組織委員会の負担。延期に伴う影響は現在協議中。との答弁です。

つまり、三者で話し合ってみないと分からないということです。

選手村の契約書には不測の事態が生じた場合について「本協定に定めのない事項が発生し、または本契約に疑義が生じた場合には、都と特定建築者は誠意を持って協議の上解決する」となっています。この契約書以外に不測の事態が生じた場合の取り決めはあるのか。

聞いてみました。

局からは「2017年に都及び組織委員会、特定建築者にて締結した「選手村の整備に関する基本協定」において、それぞれの役割などを定めており、「天災地変等の不可抗力、その他正当な理由のある場合及び本協定に定めのない事項又は疑義が生じた事項については関係者にて誠実に協議のうえ、これを解決するものとする」と定めている。と答弁。

契約書は都と特定建築者で取り交わしたものですが、「基本協定書」は組織委員会も入ってのものです。この文書はいま、開示請求中です。

オリパラ大会延期をめぐる問題は、選手村のみで片付けられるものではありませんが、選手村の土地売却については、時価の10分の1で払い下げたことで都民の土地がもっぱら民間事業者に有利な手法で検討されたと都民の怒りは収まりません。しかも五輪後はレガシーといいながら、とても一般都民には手の出ない高額な分譲マンションとして5362戸も売り出される予定で、すでに一部販売されております。これ以上の税金投入はもちろん、1100億円以上も選手村に税金をつぎ込み、特建者を優遇することに都民の納得は得られないと思います。都として関係者間で誠意をもって協議していただき都民負担が生じることのないよう求めて質疑を終えました。

すでに報告済みですが、この陳情は日本共産党都議団のみが賛成。都ファ、公明、自民は反対で否決でした。国挙げてのオリパラ大会のあり方を問う、都民の暮らしに大いに関わる内容の陳情にどの会派もダンマリとは情けないとしかいえません。

関係者はまさかコロナ感染拡大でオリンピック・パラリンピックが延期になるとは思いもせず、着々と準備を進めてきました。ぎりぎりまでオリパラ延期を決断しませんでした。この決断の遅れがコロナの感染拡大をさらに深刻にしたともいわれています。

不確かなことは言えませんが、この先第二波、第三波がくることは専門家も指摘しています。都もそれにそなえてロードマップを作成しました。世界ではまだコロナ感染が広がっている国もあります。オリパラ大会延期の傷口がどこまで広がるのか、小池知事の責任はとても重たい。最後は都民負担だなんてならないようにしなければ。

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