駆けある記

コロナ禍で増加するDVー支援強化を

こんにちは。日本共産党練馬区選出都議会議員とや英津子です。

都議会が17日から始まっています。

今日は常任委員会。私は文教委員会でDV等の支援に取り組む民間団体への補助事業について質問しました。

東京都は今回の補正予算で、DV(ドメスティックバイオレンス)被害者支援に取り組む団体に対して、新型コロナ感染予防対策の経費を一団体100万円補助する事業を盛り込みました。区市町村に照会をかけ合計で支援団体が46団体程度ということで4600万円を計上しています。

この質問に際して、コロナ禍で国連の報告や各国の状況、内閣府の動き、他自治体の動きなどを調査してきました。また先週から民間シェルターや施設から聞き取りをしました。調査すればするほどDVは深刻かつ増加の一途をたどっていることが分かりました。命に関わる問題として一刻の猶予もなく強化しなければなりません。

【どの国でも深刻なDV被害】

国連グテレス事務総長は今年4月、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)への対策の一環に「女性の保護」を盛り込むよう世界各国の政府に強く求めました。

グテレス氏は「暴力は戦場に限ったものではない」と強調し新型コロナウイルス感染症についての声明で、「多くの女性や少女たちにとって、最も安全であるべき場所に最大の脅威が迫っている。自宅の中でだ」と述べています。また国連女性機関からの報告書では、この一年間でパートナーによる性的・身体的暴力を受けた女性と女の子の数は2,43億人に上るとのことです。窮屈で閉鎖的な環境の下、安全・健康・金銭面の不安が家庭内の緊張感や重圧を増幅させる中で、この数字は増加するとの見解を示しています。フランスでは3月17日のロックダウン開始からDVの報告は30%増加。電話相談受理件数はキプロスで30%、シンガポールは33%増加となっています。アルゼンチンでは緊急通報件数25%、カナダやドイツ、スペインではDVの報告件数、緊急シェルターの需要が増加しています。

【東京でも深刻なDV支援の強化を】

東京は人口も多く他県と比較してもDV相談は多いと思われますが、都は正確に実態をつかんでいません。唯一でてきた数字は、都内の配偶者暴力相談支援センターの相談件数。2020年3月から5月の合計件数は6,125件となり、前年同月期が5,480件。

しかし、これは東京都の配偶者暴力相談支援センターと都内17カ所に設置されたセンターに被害者が直接相談を寄せた数のみです。この他、民間支援団体に直接相談することがとても多いのです。

国はこうした状況をうけ、橋下大臣が異例のメッセージを発信し、内閣府からは4月に各都道府県等に、「新型コロナウイルス感染症への対応に係るDV被害者に対する適切な支援について」通知を出しています。これらの動きを見ると本当に深刻だということが分かります。

DV支援は、まだ社会にDVが認知される以前から被害者を保護・支援してきた民間シェルターの活動が支えてきました。その中で独自にスキルを確立して、支援内容も相談にとどまらず、福祉事務所や裁判所、児童相談所への同行、教育や精神科プログラムの紹介やDV経験をした女性へのカウンセリング、相手との交渉まで行うなど多岐にわたると同時に高い専門性も要求されます。コロナ以前からDV等の被害者に対する支援は増加していましたが、コロナ感染が広がってからは益々負担が大きくなっています。

都に対し民間団体の取り組みについての認識を質しました。

質問に対し、都からは「民間団体は、相談、シェルターの運営、被害者の同行支援や自立支援など、被害者に対して様々な支援。この新型コロナウイルス感染症の拡大防止に取り組む中においても、引き続き、継続して支援に取り組んでいただいており、被害者支援における役割は大きいと認識。」と答弁しています。とても重要な答弁です。

この認識にたって、民間団体への支援を強化する必要があります。

団体の代表のみなさんからは本当に切実な声を聞きました。加害夫が自宅待機、在宅勤務、あるいは人員削減による失業で家にいることにより閉鎖的な空間に子どもとともに押し込められ、被害女性は終始監視され、暴言・暴力の環境下におかれた。そのため日頃電話での継続相談をしていた方たちの連絡が途絶え、心配な状況が生まれたということです。支援団体としてライン相談を開始し、危機的状況にあった人たちを無事シェルターに避難させたというものです。

また、ある施設では、支援者がPCR検査の必要が生じて同行したが、医療機関のような感染防止もできず、職員は命がけで同行支援にあたった。しかし、なんの手当もないと言っていました。その団体は独自で賞与を払ったそうです。被害者はDVによるものだけでなくメンタル的に愛着障害など複合的に傷ついている人も多く、回復にも時間がかかりそのためには人を配置することが本当に重要だと語っていました。

これらの相談や支援に当たるための人員増ですが、財政難でできないそうで100万円では到底足りないと訴えています。長年支援を続けてきた民間シェルターが最近3カ所も閉鎖しています。みな財政難です。補助金の増額、これまで以上の支援も要求しました。

この他、様々な角度から質問をしましたが、総じて感じたのは都のDV支援に取り組む姿勢がやはり弱いのではないかということです。

今後もこの問題を追いかけていきたいと思っています。

DVは、明確な人権侵害です。ウイメンズプラザのHPには、「配偶者暴力(DV)とは、配偶者または事実婚のパートナーなど親密な関係にある男女間における暴力のことを言います。」
暴力は、殴る・蹴るなどの身体的暴力だけではなく、人前でバカにしたり生活費を渡さないなどの精神的暴力や、性行為の強要などの性的暴力も含まれます。

【雑記】

最近Facebook友達の短歌に感激し見てもらっています。

そして、私の机の隣に座る大先輩の河野都議からも短歌を教えてもらっています。三人のみの共有です。

もやもやした自分の気持ちを何とかしたいと思ったのがきっかけですが、短い言葉に自分の心境や思いを表現すると少しすっきりします。

石牟礼道子「色のない虹」(これは俳句)を読みました。言葉に込められた作家の人生が見えてくるようです。

 

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