駆けある記

芸術・文化への支援は急務

こんにちは、日本共産党都議会議員とや英津子です。

4月も終わりに近づき、新緑の季節ですが外出自粛で楽しむことも遠慮がちです。

「くすのき」だと思います。

いよいよゴールデンウィークが始まります。この連休が明ければコロナは収束し、緊急事態宣言は解除される、とは誰も思っていないのではないでしょうか。収束すれば嬉しいが。

さて、東京都の補正予算が通り、コロナ感染拡大防止対策事業が始まります。その一つが文化芸術支援事業です。

都のHPはこちらから→芸術文化活動支援事業「アートにエールを!東京プロジェクト」 

プロとして芸術文化活動に携わるアーティスト等から、自由な発想を基にした動画作品を募集し、専用サイトで配信します。動画作品を制作したアーティストやスタッフ等に対しては出演料相当として一人当たり10万円を支払います。

こうした事業が始まることは、コロナの影響を受けている文化や芸術に携わる人たちにとって、表現の場ができることであり、良いことだと思います。

しかし、それだけでは食べていけないし、募集枠が4000人と規模が小さく、時間も制約があり、動画という限られた媒体では活用できない人もいます。また、表現の自由が保障されるかどうか…、心配や課題があります。これらの課題を解決しながら芸術活動を続けられるように支援を拡充させたいと思っています。

先週は都議団として文化や芸術活動をされている人たちの支援についての要請を行いました。この要請をするきっかけは、各団体への聞き取りや要請をうけたことでした。

私は、地元練馬区を拠点に活動している東京芸術座に聞き取りにいきました。また、都議会には、ライブハウスの無観客ライブを認めて欲しいというSaveOurSpaceの皆さんからの要請も受けました。

苦渋の決断

練馬の東京芸術座では4/8初日で公演を控え、大詰めを迎えていたが、三月末に状況が変わり、初日一週間前に延期を決断したということでした。劇団員の中でも意見が分かれ、議論した結果だそうです。

4月公演のために会場費(俳優座劇場)の前期分を手付金としてすでに一部支払っており、残りは4月に入って払っています。会場費以外に、作家や演出、照明、大道具など多額の政策経費がかかっており損失はとても大きいことがわかりました。

有名な劇団は赤字を出すことがないかもしれませんが、東京で活動している劇団の多くが赤字を出しながらも公演を続けてきたという実情があり、今回のようなことがあるとすべて負債となります。

学校公演はすべて延期。四国の市民劇場で8ステージ予定していて、1000万円以上見こんでいたものもゼロ。5月の収入予定も断たれてしまいました。

学校が臨時休校になっているため、履修不足になっています。こうした時、真っ先に切られるのが文化行事です。子どもたちの情操のためにも削って欲しくないと思いますし、劇団にとっても大きな損失です。

基本的に俳優さんは出来高払いです。イベントが中止になり、大道具や照明さんなどプロパーの人も収入が途絶えている。

固定費の補助や都の生文局の支援事業などをもっとやってくれるとありがたいとおっしゃっていました。そして「演じることができないことがつらい。」とも。

芸術勝活動に直接の支援がない日本と東京

国も都もこうした人たちに対する現金給付はしません。文化や芸術を大事にしない国はお金があっても貧困だと思うのです。

コンサルティングファームのケイスリー株式会社が、芸術文化活動にかかわる個人・組織を対象に、調査をしています。2020年4月3日~4月10日の期間にネットで行われ、3357件の回答がありました。

調査では、現在困っていることや現状の支援、損失など11項目を質問。「今困っていること・心配なこと」としては、「活動ができないこと」が84パーセント、次いで「事業・個人の収入の低下」が82パーセントと大きなウェイトを占めている。行政からの支援は十分だと思いますか」という問いに対しては、「そう思わない」(86パーセント)「あまりそう思わない」(10パーセント)と、およそ9割が行政からの金銭的支援について十分ではないとしており、現実と政策の乖離があらためて浮き彫りになっています。

日本の現状と比較して、イギリスは216億円、ドイツ6兆円、イタリア緊急基金や文化・観光セクターの労働者に所得補償、アメリカ約83億円、カナダはフリーランスに15万円を四ヶ月支給、オーストラリアは芸術支援に約3億3000万円、香港7億円規模の支援スキーム。

日本はどうでしょう。3月28日に文化庁長官がメッセージを発表。所得を補償したり、損失を補填するなど現金での支援はありません。政府の資料を見ていて、馬鹿にしているのか!と怒りが沸いてきました。支援の言葉だけが踊っている。

考え方が根本的に違うのでしょう。

できることを皆さんとやっていきたい。

長々と書いてしまいました。

 

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