こんにちは、日本共産党練馬区選出都議会議員とや英津子です。
今週は、決算質疑に加えて事務事業質疑がはじまります。
今回の報告は、10月25日に行われた産業労働局の質疑です。総選挙真っ只中でしたが、都議会は別世界のようでした。
多くの委員は昨年のコロナで打撃を受けた事業者の支援について質疑。共産党都議団も清水都議が協力金の支給について質問しました。
私は、この間取り上げてきた台風被害から事業者を守り、治山事業のことなどを質問しました。
奥多摩の台風被害
2019年の台風15号及び19号は都内各地に甚大な被害をもたらしたのを覚えているでしょうか。その被害は今なお回復していないところがあり、早急な対応が必要です。
その中に、壊滅的な被害を受けた奥多摩町(まち)のワサビ田があります。昨年度も復旧工事が続いているのですが、進捗についてどの程度まで行ったか、完全復旧の目途についても聞きました。
2020年度は、奥多摩町から復旧の申請があった123地区のうち38地区において、ワサビ田や収穫等の作業に必要なモノレールなどの付帯設備の復旧が完了、残りの 85地区 については、今年度末までに復旧を完了する予定だそうです。
19年度の被害から足かけ三年。地元の人たちにとって復旧の遅れは暮らしにも営業にも影響する重大な事態です。
ワサビは奥多摩町(まち)のみならず、東京都の名産としても重要な産業です。ワサビ田の復旧はもちろん、その後の売り出しや販路の拡大についても、都として支援を行うことが必要です。
都は、奥多摩ワサビのブランド化に向けて、 販路拡大や認知度向上など様々な取組を実施してきましたが、今後も引き続きワサビ田の復旧を進めるとともに、再開後の販売の支援等に取り組んでいくと答弁がありました。都の名産として重要なワサビを安定的に生産できてこそ、本当の意味での復旧となります。生産者の力になれるよう、都のさらなる支援を求めました。
台風による山間地での倒木や立ち枯れの被害について
新島村の阿土山(あっちやま)に都行造林地(とこうぞうりんち)があります。ここでも2019年の台風15号により倒木や立ち枯れなどの被害が出ていますが、今なお手つかずの状況です。人が住んでいる場所ではありませんが、このままだと荒廃し土砂災害なども懸念されます。
復旧について、どのような検討がされどのように行うのか尋ねました。
令和元年度及び2年度に実施した災害調査の結果、なだらかな地形であり土砂災害の恐れは低いものの 、巨大な岩や倒木が多数存在し、作業の支障となるため、復旧には一定の時間を要することから、現在 、復旧に向けて、 被災木の処理方法について検討を行っているところであるとの答弁。
東京都都行造林条例の第一条では「林業を振興し、あわせて、『自然環境の保全を図ることを目的』とするとあります。土砂災害の恐れは低いとのことですが、やはり復旧のめどが立たないと島民の方も不安に感じると思います。調査、検討を重ねていると思いますが、早急な作業着手が重要です。
こうした倒木や立ち枯れを放置していると、害虫被害の原因にもなります。都として、阿土山の害虫対策についても聞きました。
都は、「被災木の処理が害虫対策になるため、処理方法についての検討結果に基づき対応していくこととなる」と答弁しましたが、二年前の台風被害がここでもいまだに復旧や処理ができていません。
早急な作業開始を重ねて求めました。
治山事業について
近年、台風などによる風水害は頻発化・激甚化しています。今年も大型の台風が伊豆諸島に接近し、被害が懸念されました。土砂災害を事前に防ぐため、荒廃した森林を再生していく治山事業はその重要性が高まっています。
私も山が好きで様々な山を登ってきましたが、大雨や台風がくると一気に枝や幹が折れ、川を下ります。登山道が崩落しているところも見てきました。
一昨年の決算特別委員会でも質問しましたが、治山事業について、2018年度までに山地災害危険地区として514カ所を指定され、約9割の箇所で治山事業に着手しているとのことでした。その後の進捗についてききました。
農林水産部長からは、「令和元年に発生した台風災害を踏まえ、被害を受けた箇所については 、その復旧を優先して取り組んでいる。令和元年度は台風被害の復旧工事を11箇所、山地災害危険地区の治山事業を17箇所、令和2年度は台風被害の復旧工事を6箇所、山地災害危険地区の治山事業を19箇所で実施」とのこと。
治山事業を着実に進めていくこととあわせて、再び荒廃しないよう継続した管理が重要です。森林を適切に管理するためには担い手の育成、産業としての継続性が重要と前回も質問しました。また、森林の再生は世界的な気候変動対策にも資するものです。引き続き治山事業を着実に進めるよう求めました。
【雑感】
10月26日に東京都都市計画審議会が行われました。練馬に関係のある案件は「西武新宿線連続立体化計画」です。原田都議が質疑しましたが、結論から言えば審議会は賛成多数で通りました。
井荻駅~西武柳沢駅の関係者などでつくる連絡会を開き、今後について話し合いを持ちました。都市計画決定で全て終わり、だから諦めるしかない。これは間違えで、これからが重要だと認識が一致しました。住民の負担が最も少ない工法で、一日も早い踏切の除去をすることは、地元の人たちの共通した願いです。乱暴に、高架化ありきで進めることは許されません。
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