こんにちは、日本共産党練馬区選出都議会議員とや英津子です。
今月14日、15日の二日間、延期していた都市計画練馬城址公園の説明会が行われました。
私は他の仕事で説明会には行くことができませんでしたが、さかじり区議はじめ出席者から話を聞きました。
一日目は全体で一時間、説明は40分で質疑は20分くらい、二日目も説明までは同じ、質疑のみ会場からの声もあって少し延長したようですが、質疑時間の不足から不満噴出だったとのこと。
そもそも、延期の理由もあいまいなままで一ヶ月以上経ってしまったのです。住民のもやもやは晴れないと思います。
私自身も疑問があり、週明けに担当課から聞き取りをしました。
都とのコミュニケーション、情報の発信について
説明会では、住民からの意見について都が回答していないと意見がありました。これについて都に聞くと、口頭で回答しているとのこと。双方の認識に乖離があります。住民からすれば文書で渡した要請書に口頭で答えるというのはないでしょ、と思います。本来文書で出した質問や要望については、文書で返すべきです。
今後、情報の発信については事業者と相談するとのことです。具体的なことは決まっていませんが、説明会の中止についてもHPにアップされず、後で出てきますが、指定管理者の募集も、公園のマネジメントプランもご存じない方も多いのではないでしょうか。事業者と相談するのはもちろんですが、東京都の情報発信についても考えてもらいたい。今後の注視していきたいと思います。
樹木について
4月に樹木調査の開示請求をした際、スタジオツアーの敷地以外は調査をしているとのことでした。さらに都は説明会が終了するまでは伐採はしないと言っていました。
ところが、「北側の樹はすでに伐採しているじゃないか」との指摘を”としまえんの未来を考える会”で受けたので、もう一度調べてみました。
分かったことは①スタジオツアー建設の際、練馬区まちづくり条例によって北側道路の拡幅の指導をうけた事業者が拡幅部分のとしまえん敷地内の樹木は伐採した。その際、伐採届を練馬区に提出している。②東京都は自分たちが伐採したのではないから、説明会を終了するまで伐採はしないと言った。ということでした。住民にとっては樹木を伐採したことには変わりありません。しかし都からみれば誰が伐採したかが重要であるということです。住民の立場にたって説明してもらいたいものです。
開園区域の樹木については、残る樹木約730本、植栽する樹木約20本、伐採する樹木約390本と本数が説明されていますが、どの木を伐採し植栽するのか、残すのかは不明です。
伐採樹木は練馬区のまちづくり条例によって都が届出をしていますが、この資料を見てもよくわかりません。そこで、その根拠となる資料を開示請求しました。何でもかんでも開示請求で時間がかかり嫌になりますが…。
南側の道路はどうなる?
北側区道は現在、拡幅工事が行われています。これは練馬区まちづくり条例によってスタジオツアー事業者が区の指導を受け拡幅に協力しています。
では南側はどうなるのか。道路は狭隘でカーブは見通しも悪く高低差もあります。
南側はまちづくり条例の対象外。都市計画の事業認可なので、区の指導は及びません。
都は解体工事もこれからなので、検討中としか答えませんが、公園整備時に拡幅しなければその機会はほぼなくなります。この際、セットバックして地域に貢献することを望みます。
指定管理者募集と多様な主体について
都は4月当初から練馬城址公園を含む8カ所の公園の指定管理者の募集を開始しました。
C「都市部の公園・北部」グループ:8公園
[1] 戸山公園 [2] 善福寺公園 [3] 高井戸公園 [4] 浮間公園
[5] 赤塚公園 [6] 石神井公園 [7] 大泉中央公園 [8] 都市計画練馬城址公園
来年四月から八つの公園を一括で運営する業者を決め、五年間の指定管理です。現在、「練馬城址公園」以外の公園は「東京都公園協会」が指定管理者として運営しています。私は公園協会の評議員をしていましたが、数年前に経営改革が行われ、公園の多面的な活用というコンセプトが入りました。その後すぐに、経営のノウハウを取り入れるとして、みずほ銀行EBサービスから役員を招いています。今回は練馬城址公園含め改めての募集となります。
では住民が管理・運営に入るチャンスはないのか。
東京都は指定管理者募集にあたり仕様書を示しています。ここには「基本理念と目標に「『未来の東京』戦略」と、パークマネジメントマスタープランを参照とすること。」とありました。さらに各公園の目標と取り組み方針は、「公園別マネジメントプラン」を参照すると記載されていました。このプランは今年三月に改定されており、都は昨年末には「公園別マネジメントプラン改定の視点と取組イメージについて(案)」のパブコメを実施していました。全く気が付きませんでした。
練馬城址公園のマネジメントプランは下記のとおり。
https://ww w.kensetsu.metro.tokyo.lg.jp/content/000057303.pdfです。
これを読むと目標は6まで、最後の6に「多様な主体」で「都民や公園ボランティア、NPO、地元自治体や地域住民、民間事業者等の多様な主体とともに公園の管理運営をすすめていく。」と記載されています。
記載されているのはいいのですが、このようなプラン策定については積極的に地元住民や関心を持っている人たちには知らせて欲しい。
マネジメントプラン、よく読んでみたいと思います。
一方、手続きとして指摘したいのは募集が説明会より先になったことです。三月の説明会が行われたあとであれば指定管理者の募集はありえると思います。しかし、住民に説明もせずに設計図面も示して募集するとは驚きでした。延期になったのだから住民の意見を聞いた後に募集をかけるのが筋ではないでしょうか。
そもそも「多様な主体」とともに公園作りをしていくとして説明してきたのは東京都です。住民とともにつくり、住民は手足ではなく主体的に運営に関わることによって多くの人に大切にされる公園になっていくと考えます。
古城の塔について
日本建築学会も保存を強く要望し、先日未来の会で開催した学習会でも岡田英明氏に講演していただいた古城の塔。
現在、西武が委託した業者が調査をおこなっており、年度末をめどに調査を完了するとのことでした。結果の公表の仕方については未定。
計画地の中なので安全第一、まずは耐震性と健全度について基準通りになっているか調べる。そのあとのことは決まっていない。これが都の説明です。以前、古城を残すことに積極的な日本建築学会関東支部の方に聞いたところ、古い建物なのでいまの耐震基準に照らせば、満たしていないということになりかねず、それが取り壊しの口実になるのではないか、と指摘がありました。1927年(昭和2年)頃に建てられているようですからから、約95年間の風雪に耐えてきたことになります。歴史的・文化的意義を尊重し、保存して欲しいと思います。
騒音・振動について
騒音・振動の根拠法令は、騒音規制法と振動規制法、東京都環境確保条例。
建設作業の場合、工業地域のみ異なる基準で、それ以外の地域は同じ基準で規制されています。練馬城址公園計画の場合、騒音は85㏈、振動は75㏈が上限です。作業時間は特定作業(くい打ちや解体)の場合10時間以内。同じ場所で連続6日間工事ができる。日曜・休日は禁止となっています。
工事現場における建物解体作業などを用途地域別に定められている生活騒音・振動基準と同じにすることは現実的ではないかもしれません。しかし、測定が敷地境界線であることを考えれば、現場の周辺用途地域を考慮すべきだと思います。練馬城址公園の周辺は、低層住宅地域である向山や春日町地域です。基準を守れば良いということにはなりません。十分な配慮を求めました。
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