駆けある記

夏休みに漱石山房記念館へ

こんにちは、日本共産党練馬区選出都議会議員とや英津子です。

9月も中旬、明日は分教委員会で、請願・陳情質疑があるので準備に忙しいです。

今日は夏休みに行った新宿区にある「漱石山房記念館」の話。

以前、林芙美子記念館を訪ねた際、夏目漱石の「草枕」企画のチラシをとっておいたので出かけてみました。

早稲田駅を降りて10分も歩くと、静かな住宅街にたたずむ漱石山房記念館があります。夏目漱石が9年間暮らした家があった場所です。記念館には書斎の復元があり、カフェもあります。道路に面した植え込みには、当時の庭を模して芭蕉やザクロの木が植えてありました。漱石の残した言葉が館のなかに掛けられていて、一つ一つみていくと私の好きな言葉もありました。

坊っちゃんに出てくる「人間は好き嫌で働くものだ、論法で働くものじゃない」。世の中こういう訳にはいきませんが。

夏目漱石は、20年以上前に亡くなった編集者であった友人の研究課題でした。私は恥ずかしながらそれほど読んでいるわけではありません。山房に行ったので、帰宅してから久しぶりにいくつかの作品を読みました。「坊っちゃん」、「我が輩は猫である」「夢十夜」、そして企画展の「草枕」。

「坊っちゃん」を読んだのは40年前くらいかもしれません。今読むと、自分の記憶に残っている作品と少し違う風景が浮かびます。当時はとにかく竹を割ったような性格の主人公が好きで、ばあやの清も好きで、人物を中心に読んでいた記憶しかありません。今回は坊っちゃんが松山で教職についていましたので、その観点から読み進めていました。やることなすこと見張られているような狭い町で、学校を舞台に波乱な毎日を過ごします。それぞれ個性のある人間との関わりが面白く、また江戸から明治に移行する時期が舞台であったので所々にその変化が見える小説でした。

「草枕」は不思議な話です。「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。」の冒頭で有名ですが、いまだにこの話は理解するのが困難です。解説を読んでも、私の感性と違う感じです。理解しようとするからいけないのかとも思います。

漱石山房の行き帰りは「漱石山房通り」と名付けられた道を通るのですが、何本か細い枝のような路地がありました。車はもちろん通れません。この通りには私の好きなレトロ建築、魅力的な早稲田小学校もあります。一方で、かなり大きな集合住宅を建設する看板があり、すでに囲いがされていました。建設されたら雰囲気が変わりそうです。

防災上危険と言われるような路地裏ですが、風情がありこのまま存在して欲しい、地元の人しか通らない親しみのある道ですが、木造密集地域として指定されいそうな地域でした。練馬区は木造密集地域対策は、まず道路拡幅を優先します。そんなまちづくりで本当に良いのか、住んでいる人しか味わえないまちの風情を残せないものかと考えながら、早稲田の町を後にしました。

【雑感】

先週、約10か月ぶりに鍼灸院にいきました。ここで建物や建築家の話になりました。彼女は寝る間もなく建築士として働き、やめて鍼灸師になった人です。今回初めて知りました。

私がレトロな建物が好きなことを話すと、途端に次から次へと話が弾みました。コルビジェ、アアルト、フランク・ロイド、隈研吾などの建築家の話、小金井公園の建物園の話も出てきました。

また、倉敷のまち並みが残念、大原美術館の建物はいいね、などなど。

仕事も家のことも忘れることができ、身体も心もリフレッシュできた一時間でした。

 

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