駆けある記

生物多様性について(決算特別委員会報告①)

こんにちは、日本共産党練馬区選出都議会議員とや英津子です。

2025年、新しい年が明けました。

長らく書けなかったブログを再開します。

毎年10月、11月は都議会決算特別委員会と常任委員会での請願・陳情質疑、事務事業質疑が行われます。

昨年、私は二年ぶりの決算特別委員会委員となり、10/18~10/25の期間、環境局、都市整備局、港湾局、産業労働局、建設局、住宅政策本部の各部局に対して質問しました。短期間で多くの局に対して質問するのは負担も大きいのですが、地元の問題をはじめ都民の声を届けることができました。これから少しずつ報告します。

【環境局】

◆生物多様性について質問

生物多様性地域戦略がR5年4月に策定されました。地域戦略には「生物多様性は、地球上の人間を含む多様な生命の長い歴史の中でつくられたかけがえのないもので、生活に欠かせない恵みを与えてくれています。」とあります。都市化や気候危機によって生物多様性が失われること無く持続するために、都としてできる限りの取り組みを求めました。

◆大島のキョン対策で重要答弁

昨年夏、伊豆大島の都立大島海洋国際高校、大島高校、そして波浮港の調査に行きました。現地の皆さんと交流する中で、キョン対策についても話をうかがい質問することになったのです。

ーなぜ、キョンが生物多様性に関係するのか?

生物多様性も色々で、人により持ち込まれたものによる影響があるのです。その一つが、伊豆大島のキョンの問題です。都としても力を入れて、お金も使って取り組んできた問題であります。
キョンは伊豆大島の動物園にいた動物でしたが、台風があったため逃げ出して、それ以降、強力な繁殖力で増えていったそうです。そして、やがて島の農産物などに被害を与えるようになったと聞いています。
キョンが繁殖することによる農家などへの被害状況、生物多様性への影響について聞くと。

「キョンの増加により、サクユリをはじめとする希少植物や、アシタバ、サツマイモなどの農作物への食害が見られる」とのこと。

都は、これらの食害や生物多様性への影響を重視してきましたが、地元からは山の中では駆除は進むが、街なかでは銃も使えないため捕獲が難しい、遊休農地に追い込み捕獲するなどの対策が必要ではないかと意見が出ており、その問題について掘り下げました。

都は現在、「市街地では銃の使用が制限されるため、わなや張り網を用いた捕獲を行っており、また、昨年度は、休耕地等に誘導柵を設置し、人や犬でキョンを追い立てる捕獲を試験的に実施してございます。」との答弁でした。

これは非常に重要な取組み!
この試験的な実施からその後の取り組みについて尋ねると…、

「試験的取組は昨年度実施をいたしまして、現在、効果の検証を行っているところ」とのこと。

ぜひ、来年度予算で実現して欲しいと求めました。

地元の人たちに伝えると、試験的に実施していることも知らなかったようで、とても喜んでもらえました。

◆都立石神井公園は生物多様性の宝庫

地元練馬にある都立石神井公園の生物多様性について取り上げました。

私が注目した一つは、三宝寺池の湧水についてです。

武蔵野産代湧水をご存じですか?

吉祥寺の井の頭池、杉並区の善福寺池、そして練馬区の三宝寺池です。

特に石神井公園三宝寺池。この池の沼沢植物群落は国の天然記念物に指定されています。保存活用計画によれば、天然記念物への指定前は湧水が豊富にあり、カキツバタやハンノキが群生していたようでしたが、昭和三十年代に周辺の急激な都市化が進んで、自然が大きく変化し、湧水が激減しています。昭和四十年代には干上がってしまったというふうに記録があります。つまり、かなり以前より湧水が枯渇していて、今は井戸で水をくみ上げているのが現状です。この池の湧水が復活すれば、沼沢植物群落はしっかりと守られ、池の水も浄化され、生物多様性の保全も進んでいくと思います。

東京都が生物多様性地域戦略に、武蔵野三大湧水の復活を位置づけている以上、しっかり取り組んで欲しいと思います。

この質問をするにあたり、石神井公園内で野鳥や自然を守るために活動している皆さんにお話を聞いたのですが、興味深いことが分かりました。

一九九五年当時、国分寺市と東京都の環境局は、水環境の再生として姿見の池の復活に取り組み、成功しています。このとき、池の水をたたえるため、池周辺の井戸から東京都の指針の規制上限の水をくみ上げても水量が不足したため、JRの協力を得て、地下湧水を池に流し込んだことで、姿見の池の湧水は復活をしました。
水環境の再生のために、当時、環境局がイニシアチブを取ったと、発揮したということが重要でしたが、現在もこの姿勢に変わりはないか聞きました。

都は、「湧水等の保護のほか、水再生センターの高度処理水を活用した清流復活事業や、鉄道からの地下漏えい水の環境用水への利用など、水辺環境の保全、回復に取り組んでおります。」と答弁。

湧水復活を目指す東京都に対し、今不足する池の水を補うために浅井戸の設置などを検討すべきと求めています。

◆守れ!マルタンヤンマ

石神井公園にはマルタンヤンマというトンボが生息しています。他の希少種が絶滅しているにも関わらず、このトンボが生き残っているのは沼沢植物群落という湿地があったからこそです。希少種としてレッドリストには載っていないものの、地元の人たちに聞くと、美しい姿が人気で北海道から大きな網を持って業者が販売のために捕獲しにくるそうです。議会ではマルタンヤンマのことも取り上げました。

実は「生物多様性地域戦略」の表紙はトンボです。この説明には「東京では、トンボ類が二〇二一年五月までに百八種が記録されており、鹿児島県の百二十種に次ぐ全国第二位の数字ですと。東京が、狭小な面積にもかかわらず、種の多様性が極めて高い地域であることがわかるシンボル、象徴としてトンボを掲載しました。オオシオカラトンボは、東京都の保護上重要な野生生物種、東京都レッドリストには掲載されていないものの、区部での多産地は少ない種です。都心も含めた東京全体で、多様な生き物が身近に見られるような環境を保全、回復させ、自然と共生する豊かな社会を都民の皆様と目指していく思いを込めています」と書かれています。都に対して、この言葉とおり対応することを求めました。このテーマは建設局でも取り上げました。

以下の動画は石神井公園の生物多様性について調査に行った際の動画です。ご覧下さい。

【雑記】

今年は都議選・参院選の年です。しかしほぼ休みなく仕事をしてきたため疲労もたまり、また「充電は必要です、ジャンプ前の屈み、屈みは後退のように見える、しかし60度の屈みがなく膝が伸びきってるとジャンプはできない。」とのメッセージをくれた人がいて、そうだそうだと思い、年末は城崎温泉、出石、奈良とまわりました。

城之崎は志賀直哉の「城之崎にて」で有名ですが、木山捷平、里見弴、武者小路実篤、司馬遼太郎、湊かなえ、山下きよしなどの作家や哲学者、芸術家も訪れたまちです。志賀直哉が泊まったと言われている「三木屋」旅館は外から眺め(高額なので泊まれない)、はす向かいの「西村屋」という創業130年くらいの老舗旅館に圧倒されながらお金がかからないまち歩きを楽しみました。出石は、木山捷平の小説に出てくるまちです。ここは小京都とも言われ、レトロなまち並を堪能し、名物の「皿そば」を年越そば代わりにいただきました。山芋とそばだけのシンプルなものですが、私が立ち寄ったそば屋さんは「たくみや」。100年以上の本物の町家を利用したお店の雰囲気が素敵でした。

 

しっかり充電して3日からお仕事しています。

 

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