駆けある記

都の防災船はグレー水素?脱炭素に貢献せず

こんにちは、日本共産党練馬区選出都議会議員とや英津子です。

都議会真っただ中、来年度の予算を決める論戦が行われています。

そのさ中、アメリカとイスラエルがイランに攻撃を仕掛けました。小学校の子どもたち、市民が殺されました。

満身の怒りを込めて抗議します。

代表質問と一般質問が終わり、予算特別委員会の質疑真っ最中です。その準備に忙殺され、ブログが滞っていましたが、今日は都議会の質疑を紹介します。

環境・建設委員会で「防災船」の製造にかかわる質疑をしました。

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東京都は大規模災害の際、物資や人を運ぶため4隻の防災船の製造をするとし、うち二隻は先行して製造がはじまっています。今回は残りの二隻についての契約議案です。

二隻の防災船製造の契約金額は、約34トンが19億4,920万円、もう一隻は82トンで23億9,800万円です。先行して製造中の船舶は、総トン数約80トンで契約金額は8億6千460万円、もう一隻は総トン数約20トンで契約金額は7億2千600万円です。

船舶の総トン数は変わらないのになぜ高額?

船の総トン数は大きく変わらないわけですが、今回の二隻がディーゼルエンジンではなく水素とディーゼルの混焼エンジンを搭載したため、契約金額がそれぞれ3倍近く(約2.7倍)に跳ね上がったのです。その結果、今回の契約議案となった二隻の船舶は、9億円を超えて議決対象となったということです。

そこで、防災船は水素混焼とのことですが、なぜ水素を使うのですか。使う水素はどのような水素か聞きました。

都の答弁は以下のとおり

A、〇「2050東京戦略」で、都はゼロエミッションモビリティの普及拡大を目指しており、脱炭素燃料活用を推進

〇水素混焼エンジンを採用したことにより、軽油のみを使用する場合に比べ、航行中のCO2排出量を最大50%削減可能であるため、水素を使用

〇使用する水素は、運航開始時点の供給状況に応じて選定予定

水素を使うのは、ようするに脱炭素に貢献するためということだと思います。

しかし、今回の件であきらかなように、水素の利活用というのは現状、非常にコストが高いんです。

それもあって、水素の利活用に対する需要が大変少ない。そこで今、国も都もあげて、水素の「需要喚起」に力を入れている。水素で発電してスムージーをつくるとか。今回の水素船もその一環ということだと思います。

「なんでも水素」でよいのか…

しかし、脱炭素対策として、この「なんでも水素」というのは、推奨されない、端的に言えば間違った方策だとされています。船舶に使用するのも、評価が分かれています。

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ドイツの「アゴラ・エナギ―ヴェンデ」という気候問題のシンクタンクが水素の「後悔しない用途」について分類を示していますが、「海運」は「後悔しない用途」に分類されていますが、これとは別に「海運(短距離)」については、「意見がわかれる用途」としています。IRENA-国際再生可能エネルギー機関も、水素利用と電化の比較で、巨大タンカーのような「国際海運」については水素に利があるとしつつも、フェリーぐらいの大きさの船になると、水素と電化の評価は半々です。いわんや今回のような小型船舶をや、ということだと思います。

しかも、使用する水素は、どのようなものか。「運航開始時点の供給状況に応じて選定予定」ということで、正面からお答えがありませんでした。現在、水素製造の主流は化石燃料から(褐炭を蒸す/天然ガスの改質)です。運ぶのも化石燃料で動く船や車です。水素を製造・運搬するとCO2が出るというのが実態です。

そこで、、防災船の完成まで3年、水素はどこから運搬するのでしょうか。また、東京都で再エネからつくられるグリーン水素を製造、活用する見通しはあるのか聞きました。

A、〇水素の供給元は、運航開始時時点の供給状況に応じて選定予定

〇東京都はグリーン水素の活用に向けた基盤づくりを推進することを2030年のカーボンハーフの取組の方向性として示している

昨年の第3回定例会の知事の所信表明で、知事は「海外からの水素調達を見据える」と述べています。「グリーン水素」を調達するとは言えないのです。それを、化石燃料の船で運ぶ。都内でのグリーン水素のとりくみも、初歩的なものです。

以上のようなことから考えると、高価な水素混焼エンジンを導入しても、単純に脱炭素に貢献できるとは言えないと思います。

東京が、国と一体となって「なんでも水素」の実験場になってしまっています。日本はCOPでたびたび化石賞をもらっていますが、その理由の一つが水素です。水素やアンモニアを混焼する技術の推進が化石燃料を延命させるグリーンウオッシュだと批判されています。そして、コストと効果の十分な検証もなく、建設局がその一翼を担って事業をすすめることに、大変違和感を覚えまました。

それは、舟運がかかわっているからです。

都が「防災船」と名付けた船舶は、実は公園協会が運航する定期便の水上バスのの代替となります。水上バスは老朽化のため、現在運休中でrす。四隻の防災船は平時は定期運航し、水上バスとして活用します。都はそのことを何回か質問してようやく答弁しました。

なぜ、わざわざこのように、都民の目から見てわかりにくい形にしたのか、釈然としません。しかも今回この4隻のうち、たまたま2隻を水素仕様にしたために議会にはかることになりましたが、もしそうでなければ、4隻とも議会にはかられることなく、建造されたことになります。

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右の画像は、「築地まちづくり公式ウェブサイト」に掲載されているものです。ご覧の通り、美しいパース図に、水上バスを思わせる船が描かれています。

都が独自に名付けた「防災船」の新規建造は、よもやこの希少な都有地-築地市場跡地の再開発に足並みをそろえた事業ではないのか。

こうした疑いが、質疑では晴れませんでした。なお事前に「防災船」建造の検討過程がわかる資料を求めましたが、応えていただけませんでした。

以上の理由から、議案には反対しました。

環境・建設委員会の質疑をご覧くださいhttps://www.youtube.com/watch?v=qsBrC0p6KrE

 

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