駆けある記

自衛隊が市街地で戦争訓練?防衛省レクチャー

 練馬駐屯地(東京・練馬区)に配備されている陸上自衛隊第1普通科連隊は、6月12日朝8時30分~12時、東京・板橋区の荒川戸田緑地から練馬駐屯地までの約7キロの市街地でレンジャー訓練における行進訓練を実施することを、板橋・練馬の両区に通知しました。
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 通知された実施計画の概要を聞くと、30人の隊員が小銃及び銃剣を携帯し、迷彩作業服を着て顔料を塗布し、東富士演習場からヘリコプターで荒川戸田緑地に降着したあと、2列の隊列を編成して徒歩行進訓練を実施するとしています。
 5月21日田村智子参議院議員の防衛省レクチャーでは、この訓練が約3カ月に及ぶレンジャー教育訓練のうち、基礎訓練の後に行われる「行動訓練」の一環であることを認めています。
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 陸上幕僚監部作成の「レンジャー教育の参考(案)」(昭和50年4月)によれば、「行動訓練」とは、「レンジャー教育の主体をなすものであり、各種状況における潜入・襲撃・伏撃離脱などの要領を体得するとともに強靭な体力及び不屈の気力を練成することを目的とする」もので、まさに戦争訓練に他なりません。
 選抜された隊員を極限状況においこみ、その中でも戦闘任務を遂行できるよう鍛え上げることを目的としており、過去にもこの訓練で死亡事故もふくむ事故を多発させていることも明らかになっています。
 死亡事故に至らなくても、過去に多くの事故を発生しており、特に行動訓練においては疲労、睡眠不足及び飢餓の著しい中にあって、実践的に実施するため、人命にかかわる事故を生ずる恐れがある」と明記されています。
 訓練課目には、「格闘」「地図判読」「破壊」「水路潜入」「空地協同」「生存技術」「山地潜入」などもふくまれている。
 このような過酷な戦闘訓練を受けて心身共に極限状況においこまれた兵隊たちが、銃や銃剣をもち迷彩を顔面にまで塗布し、通勤通学時間帯から買い物客でにぎわう正午にかけて、工場や家屋、商店が立ち並び、保育園や学校、公園、病院、老人施設なども多数ある人口密集地で行進訓練を行おうというのが、今回の計画である。それは普通の市民感覚では到底考えられない常軌を逸した計画であり、市民に大きな不安や衝撃を与えるとともに、不測の事故の危険をもたらすものであることは容易に想像できます。
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 これだけの人口密集地店でのレンジャー市街地行進訓練は、全国的にも例のない異常な計画である。このようなことを許せば、全国のどんな市街地でも、レンジャー訓練など、実践的戦闘訓練が大手を振ってくりかえされることになりかねません。
 こうした首都東京での異常な計画が、政府が「動的防衛力」の名で自衛隊のアメリカの戦争への参戦体制を強め、自衛隊を「国防軍」とするなどの憲法改悪の動きが強まるもとですすめられていることを、は強く危惧します。
 この間平和団体などが、自衛隊駐屯地への要請行動もおこなっており、この問題は練馬区や板橋区だけではなく、東京全体の問題として、事実をみなさんに知ってもらい、大震災で自衛隊への好感度が増す中、実は戦争訓練が市街地で行われ、これは決して市民を守るためのものではないことを、明らかにしていこうと確認しています。

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