駆けある記

国民健康保険料また値上げー国の支援金活用で引き下げを

こんにちは、練馬区議会議員 とや英津子です。

先週で区議会第一回定例会が終わりました。今回の議会では国保料改定条例が提案されました。毎年のように値上げされ国保料。区民のみなさまからは、たくさんの苦情や相談が寄せらます。私は最終日に反対の立場で討論にたちました。

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 全ての世帯が値上げ

 国民健康保険料は2011年度から旧但し書き方式に変更されて以来、急激に負担が増加し、毎年のように引き上げがされてきました。今回の議案では、均等割額の5割軽減および2割軽減の判定所得の引き上げや賦課限度額を現行の69万円から73万円ににするなど中低所得層の負担軽減がはかられているものの、全ての世帯が負担増となります。
 区の保険料試算では、給与所得3人世帯で年収300万円の場合、11655円もの値上げとなり、年間28万円もの国保料を払わなくてはなりません。会社員が加入する協会健保の保険料、15万5376円と比較しても負担が重く実に年収のほぼ1割の負担となってしまいます。
 消費税の増税や実収入が減り区民の暮らしは火の車です。しかも国保加入世帯は中小業者や非正規雇用が多く、不安定な生活に加えての負担増は滞納世帯を新たに生み出し悪循環を助長することになりかねません。

国の支援金活用で保険料軽減を

自治体が運営する国民健康保険制度を政府が「都道府県化」することを求めるなかで打ち出したのが2018年度をめどに公費で3400億円を投入することです。このうち2015年度からは、保険者支援として約1700億円が毎年公費投入されることになりました。今予算案でも練馬区には、保健基盤安定化拠出金が5億円増額で配分されましたが、区は2015年度当初と比べて保険料軽減のための繰り出し金を10億6000万円も減額しています。仮に昨年度と同額一般会計から支援すれば、区民の負担は軽減できたはずです。これでは区民の納得は得られません。
無慈悲な取り立てやめよ

 国保被保険者はこの5年間でみると減少し、2010年の20万1、608人から2015年には18万5、080人となっています。ところが滞納世帯は3、2450世帯から29578世帯、資格証は4、182世帯から3、990世帯と横ばいとなっており、区はこの間、政令指定都市などと比較しても決して高いものではないと言ってきましたが、国保加入世帯における滞納者の割合はむしろ増えている状況です。
 こうしたもと、非常な取り立てと差し押さえが行われています。滞納者の多くは保険料が均等割のみの低所得世帯であり、差し押さえ件数はこの5年間で308件から709件と倍以上になっています。私どもに寄せられた相談では会社が倒産して滞納した人から生命保険まで差し押さえるという事例もありました。
 また全国では、経済的理由による受診の遅れで症状が悪化し、死亡した人が56例にものぼり、そのうち短期証や資格証など無保険状態にあったひとが32人、57%にものぼります。高い保険料が命までおびやかす事態が広がっているのです。
 支払い能力を超えた保険料を押しつけるのではなく、払える保険料とし、区民の命と健康を守るという本来の国民皆保険制度とするよう強く求めて討論を終えました。

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