駆けある記

表現の自由はヘイトスピーチを許すのか

こんにちは、日本共産党練馬区選出都議会議員とや英津子です。

ヘイトスピーチが各地で問題になっています。先月は朝鮮学校の無償化を求めて当事者の高校生と支援者が練馬駅で行っていた宣伝活動に現れ、生徒たちの前で警察に守られるようにヘイトスピーチを行いました。練馬区議会議員選挙で日本第一党の候補者が立候補、当選はしませんでしたが、練馬区役所で講演会を行いそれを区は断りませんでした。

こうした出来事が練馬で起きたこともあり、昨日は、「ヘイトって何? 何をねらっているの」と題してジャーナリストの安田浩一氏の講演会がありました。

安田氏は、ヘイトスピーカーは娯楽だと思ってヘイトスピーチをしている。ネット上のデマをもとに楽しんでいるといいます。楽しみや娯楽で「死ね」「日本から出て行け」「殺す」などと言われた本人はたまったものではありません。

練馬駅でヘイトスピーチが行われた時、私は当初宣伝に参加する予定でしたが、他の予定と重なり行くことができませんでした。子どもたちはどれだけ傷ついただろうと心配していましたが、朝鮮学校の高校生はマイクをとって、僕たちはただ日本で普通に生きて行きたいだけ。日本に生まれて一度も朝鮮半島に行ったことがないが、これから自分の国、北にも南にも行ってみたいし、学びながら日本で生活していきたいとスピーチ。素晴らしいと思いました。

大阪の鶴橋にある在日コリアンタウンでは2013年、中学生の女の子が「いつまでも調子にのっとったら、南京大虐殺やなくて鶴橋大虐殺を実行しますよ! そうなる前に自国に戻ってください! ここは日本です! 朝鮮半島じゃありません! いい加減に帰れ!」とスピーチ。またヘイトデモで「在日コリアンは人間じゃないから二足歩行するな」「女はレイプしてやる」など数え切れない罵倒をくり返しています。

ヘイトの動画を見ましたが、日章旗はもちろんハーケンクロイツまでかかげ、常軌を逸した異常な言動が白昼堂々と行われているのに、取り締まりもないしむしろ警察に守られているように見えました。

ヘイトスピーチが行われると、コリアンタウンで商売している在日の方々は、シャッターをしめ近所の人と車座になって一言も会話もせず、じっと耐えているそうです。

なぜ、ヘイトスピーカーが守られ、被害者である在日の方々が小さくなっていなければならないのか。

これが表現の自由なのでしょうか…。

法務省のHPには「今年6月3日(月)で「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律(平成28年法律第68号)」,いわゆる「ヘイトスピーチ解消法」の施行から3年を迎えました。」とあります。三年経っても、当事者の人たちからみれば「何も変わらない」と言われました。東京都も2020年のオリンピック・パラリンピックを前に人権条例を定め、公共施設の貸し出しについて第三者機関で検討することになりました。効果はあるのでしょうか。どちらも罰則規定はありません。しかし、罰則があればいいという話でもありません。

当事者は声にもできない今、当事者でない私たちが立ち上がらなくてどうするのか?社会、地域そして尊厳を守るためにたちあがるべきだと安田氏は参加者に呼びかけました。ヘイトを許さない社会、差別と憎悪のない社会をつくるにはどうしたらいいのか。重たい課題を突きつけられました。

ヘイトスピーチとは、歴史的、構造的に差別されてきた皮膚の色、民族、国籍、社会的出自などにおけるマイノリティの集団、個人に対する、その属性を理由とする差別扇動表現。不平等、不均衡、非対称的な関係の中で生まれる憎悪。ヘイトスピーチと虐殺の歴史をたどると関東大震災、ナチス、ルワンダなど。

 

 

 

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