駆けある記

「としまえん」の未来はどうなる?閉園を前に…

こんにちは、日本共産党練馬区選出都議会議員とや英津子です。

8月で閉園する「としまえん」遊園地。

子どもの頃から慣れ親しみ、わが子たちも幾度となく連れて行った思い出の遊園地です。

東京都が2011年に「都市計画公園・緑地の整備方針」の優先整備区域としてとしまえんを含む約26haを「練馬城址公園」として指定してから10年。今年、この方針を都は改定し、「練馬城址公園」は引き続き優先整備区域に指定されました。。

ほとんど動きがなかった「としまえん」の都市計画公園整備ですが、今年にはいり急に動き出しました。6月には西武鉄道、東京都、練馬区、ワーナーブラザース、伊藤忠商事の5者で【緑と水、広域防災拠点及びにぎわいの機能を備えた練馬城址公園の実現を目標に、相互に連携、協力し、本公園の整備と適切な利用を進める。】との「覚書」が交わされました。その後東京都の公園審議会に諮問されました。答申が出るのは来年5月ころの予定です。こうした動きについて、地域住民は報道ベース以上に知らされることなく今日まできています。

こうした事態をうけ、「としまえん」の今後に感心のある住民のみなさんが中心になって「としまえんの未来をかんがえる会」が発足し活動しています。そのとりくみの一環として今月21日、「としまえん見学会」が行われ、私も参加しました。

案内は、区民学芸員の平田さん。「豊島園まち議会」といって、練馬区のまちづくりセンターの補助金を活用し、「としまえん」が公園になるなとしたら…こんな公園がいいな!をコンセプトに、みんなの「夢」を題名に冊子もつくって活動してきたメンバーのお一人です。

私は2018年11月にも「としまえんスタディツアー」を企画したのですが、今回は夏まっただ中。まったく雰囲気のちがう「としまえん」を観ることができました。

【都の計画は?】

もともと東京都は、練馬城址公園として「としまえん」を含む約26haの土地をどのように活用し都立公園として整備するか、検討するため、二回にわたり民間事業者に調査委託をかけています。この問題は都議会でも何度か取りあげてきました。2017年に行われた調査を開示請求すると、現在のとしまえんの敷地を活用した公園らしい公園のイメージ図ができあがっていました。ところが、都はその後すぐに公園に関する方針を転換し、「都立公園の多面的活用」を策定します。この方針を踏まえて二回目の調査が次の年にも行われるのです。その内容は「にぎわい」をコンセプトに盛り込み、緑はどうも後景に追いやられたようなイメージとなっています。今回の公園審議会に諮問された内容にある整備方針のたたき台は、1,水と緑 2,広域防災拠点 3,にぎわいの3つのコンセプトに基づき検討がされることになりますが、これまでの調査がどのように生かされるのか…。

【川が流れ城跡の残る遊園地】

としまえんの真ん中には石神井川が流れています。その昔この辺りは氾濫原で水田があったそうです。園内には練馬城址もあります。この城跡は室町時代に豊島氏が石神井城の支城として築いたものらしいのですが、ここで練馬なのに豊島園という名がついた理由が分かります。太田道灌に破れそのまま廃墟となったようです。14世紀末に思いを馳せながら歩きました。

また、練馬区のハザードマップを見るとこの辺りは浸水区域。少し心配もあります。

【地形をうまく活用して】

園の南側には「谷戸」があります。谷戸とは、行き止まりになった谷の事だそうです。ひばりヶ丘から田無に向かうバス停にも「谷戸」という地名があります。自分の名字を逆さにしていて親しみのある名前です。向山にはいくつもの坂というか谷があり、昔、自転車で遊びに行ったことを思い出しました。この地形を生かして園内のアトラクションが配置されているという説明を受けました。

【豊かな緑と生態系】

歩いて行くと、たくさんの樹木や草が生えています。アゲハチョウの幼虫に気がつき、蝉が木の幹のいたるところにとまってミンミンと鳴いています。蝋梅の木を見つけ、その種を初めて観察することが出来ました。この日はセミとイモムシくらいしか出会いませんでしたが、実は65種くらい発見されているそうです。園内には昆虫館があるのですが、昔楽しんでいた頃はなぜ、ここに昆虫館があるのか知りもしませんでした。

公園として整備されることになれば、緑や生き物はどうなるのか。他のところから土を運んでくることも考えられ、そうなると生態系が壊れるのでは…。そんな危惧もあることが分かりました。

【防災機能をを持つ公園というが…】

公園は先に説明したように、防災機能を持つ公園として整備することが位置づけられています。では、防災公園とはなんだろうという話。説明によれば、いわゆる避難所ではないと言う話もありました。ですが現在、練馬城址公園として位置付けられているとしまえんを含む敷地は、「避難場所」となっており、災害が起きたとき短期的に避難する場所だそうです。今後はどうなるのか注視が必要です。

【ハリーポッター スタジオツアー】

西武鉄道は、としまえん閉園後にワーナーと伊藤忠によるハリーポッターのスタジオツアーとして一部の敷地を貸す契約を締結しています。今後この施設はどのように整備されるのか、一部というがどの程度活用するのか…。民間の事業だからと区民は意見は言う機会も与えられないのか…。疑問がわきます。

【近隣住民はじめ都民の声は一度も聞いていない】

これまで何度もこの問題を触れるたびに言い続けてきたことですが、都市計画公園という公共施設なのに、税金が投入される施設であるのに都は一度も地域の住民、都民の意見を聞いてきませんでした。これは本当に問題だと言わざるを得ません。

公園整備にあたっては「都民・区民の意見を聞くべきです。」と改めて言いたいと思います。

 

 

 

 

 

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