駆けある記

決算特別委員会報告⑧ー住まいは人権つらぬいて

こんにちは、日本共産党練馬区選出都議会議員とや英津子です。

決算特別委員会報告、今回は住宅問題です。数回に分けて報告します。

昨年来の新型コロナ感染症は、東京を中心に急拡大し感染の爆発を起こしました。各地で医療ひっ迫が起きるとともに雇用破壊も深刻で、非正規労働者、特に女性と若者に大きな犠牲を負わせています。コロナ以前に比べて月平均92万人もの非正規労働者が減少し、うち61万人は女性です。くわえて月平均100万人もの労働者が休業や営業時間短縮の影響をうけ、とくに「シフト制労働者」は休業支援が受けられず、困窮状態に突き落とされています。「貧困」とはあまり関係がないと観られてきた人が住宅に困窮する事態が広がっています。住宅確保給付金を四月から六月に申請した都民は一昨年の100倍です。

都は、都営住宅の毎月募集に一般世帯を加え、月50戸から70戸へと拡大。随時募集も新たな団地を加え145戸とした。東京チャレンジネット事業への都営住宅の提供戸数を60戸にした、東京ささエール住宅の設備導入や家賃低廉化補助の拡充などを実施した。とやってきたことを並べています。

都営住宅については、以前から申し入れや代表質問でも求めてきたもので、現在毎月募集は120戸まで拡大しており、努力していることが分かります。しかし、災害と言うほどのコロナ禍の対応としてはまだまだ不十分です。しかも公営住宅は制度改悪で月収15万八千円以下などの限られた人しか入居できません。

住宅確保要配慮者でも入れない東京の住宅事情

しかし今、公営住宅入居資格を持つ対象者も入居がかなわない状況があります。

低所得者、被災者、高齢者、障害者、一人親家庭など「住宅確保要配慮者」に入居希望を断らない賃貸住宅を供給するため、空き家の一部を活用した住宅登録制度が2017年からはじまっています。都では「東京ささエール住宅」として予算を組んできました。いわば住宅セイフティーネットです。この制度がふさわしく機能しているのか。

都は「ささエール住宅」の登録住宅を増やすため、2つの補助制度を昨年から実施しています。専用住宅(住宅確保要配慮者のみ入居可能)のみの登録協力をした家主および事業者にそれぞれ一戸あたり5万円の報奨金を交付。もう一つは見守り機器設置補助。専用住宅以外でも活用できるもので、見守り、購入費および取り付け費の二分の一を貸主に補助するものです。

2つの新たな貸主支援は昨年度の当初予算で200戸分が組まれていました。

ところが、実績を聞くと登録協力補助は43戸、機器の設置補助は25戸と伸び悩んでいます。

登録は法人が97%ー大東建託

一方、この住宅の登録戸数を年度別にみると…。

2018年 登録住宅296戸 専用住宅172戸

2019年 登録住宅2240戸 専用住宅491戸

2020年度 登録住宅39469戸 専用住宅598戸

20年度はやけに登録住宅が増えています。この中身を掘り下げます。

まず、法人、個人の内訳を聞きました。 すると…。

20年度末時点では、個人3% 法人97%でした。

「東京ささエール住宅」は、国の「住宅セーフティネット住宅」制度を都も予算をつけて実施しているものです。

あまりに登録住宅が少ないので、国は不動産業界に協力を求めて、全国では一部の企業が占める割合は94%に達していると言われています。東京はもっと多く97%です。

そこで、一万戸以上の登録法人、法人が登録する専用住宅、さらに法人が登録する住宅のうち専用住宅は何戸あるのか聞きました。

すると、一万戸以上の登録法人は1事業者。その事業者が登録している専用住宅はゼロ。そして法人全体が登録している専用住宅の戸数は426戸ということでした。

そこで、一万戸以上の登録法人の登録戸数を聞くと…。約36500戸

 都内全体の登録住宅は約4万戸です。そのうち36500戸を1つの法人が登録している。しかもこの法人は住宅確保要配慮者のみが入居できる専用住宅は登録していないのです。その事業者は大東建託ということが分かっています。

ここまでの質疑でも、いかに国と都の住宅政策が歪みいびつなものであるるかが分かります。

                                            (つづく)

【雑 感】

都議会の決算特別委員会は意見陳述まで終わり、12/2は最後の採決です。この間、選挙と決算特別委員会、各常任委員会の事務事業質疑をおこなってきました。その事務事業もやっと26日に終了しました。多岐にわたるテーマを取り上げ質問しました。私は、通常はソフト系の文教委員会に所属するので、決算のメンバーに選任された時はハード系、建設局や都市整備、住宅、環境などを取り上げる委員会に所属し都民の声を届けてきました。

11月30日~12月15日は、第四回定例会です。目が回りそうな毎日でなかなか地域に出ることができませんが、みなさんの声をしっかり議会でとりあげ前進させるために頑張ります。

 

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