こんにちは、日本共産党都議会議員(練馬区選出)とや英津子です。
学校は夏休みになり、子どもたち、特に受験生はこの夏に来年の受験に備えて塾や講習に通う子もいるでしょう。通えない子もいます。
そうした中、都教育委員会は都立高校入試に英語スピーキングテストを活用する計画で準備を進めています。
英語スピーキングテストを知らない生徒・保護者もいる
しかし、テストの詳細を知らない生徒や保護者、教員も多く混乱が広がっています。また都教委はこの間、実施にあたっての運用をいくつも変更しており、それも周知されているのかいないのか分からない状態です。
中学三年生にとって高校受験はほとんどの子どもが一回きりの勝負です。緊張とストレスをかかえながら受験に臨みます。それだけに実施者は絶対に間違えは許されないし、公平性と透明性、正確性が要求され、試験の内容についてよく知らない生徒がいること自体あり得ないことです。
「特別措置」の重大な不備
いま問題になっているのは、障害を持っていたり、吃音や難聴、場面緘黙といった特性をもつ子どもたちへの対応である「特別措置」です。7月7日からテストの申込み・申請が始まっていますが、あわせて特別措置の申込みもはじまり、期限は8月5日とされていました。ところが、申込みの相談が夏休みでできない、よく分からないなどの理由で期限が過ぎてしまったらどうするのか、関係者から批判が寄せられ都教委は締切りを8月19日まで延長しました。
二週間程度の延長でもまだ夏休みです。不安は解消されませんので、先週申し入れをしました。
申し入れ文はこちらから⇨https://www.jcptogidan.gr.jp/opinions/6145/
都教委は期限を延長することを各学校に通知を出したと言っていますが、メールで送った程度で夏休みの学校がチェックできるでしょうか。漏れていたらどうするのでしょうか。さらに、HPも今日現在更新されておらず、締切りは5日のままです。当事者にとっては一大事なのにそれが分からないのでしょうか。このようなずさんな運営で済ませることに怒りを感じます。
子どもを大切にしていると思えないテスト
そもそも、障害や様々な特性を持った子どもたちに特別措置や受験を免除する措置をとって無理矢理点数をつけることが問題です。
そしてなによりも当事者の尊厳をどう考えるのか。自分が吃音であることを学校にも親にも隠している子もいます。申請すれば、それを学校や親に知られることになります。
子どもの尊厳はどこへいったのか。このようなテストはやはり中止しかありません。
【雑感】
◆猛暑とコロナ感染の急拡大でこれまで経験したことのない夏を迎えています。「感染したかもしれない」「医療機関につながらない」「職場のことで相談したい」など、相談が舞い込む毎日です。
◆多くの子どもにとって最初に覚える母語(日本語が多い)の次に出会うのが英語です。ことばを獲得し学んでつむいでいくことが自己のアイデンティティ確立に結びついていきます。日本語も英語も時間をかけてしっかし基礎を学ぶことが大事です。英語スピーキングテストを入試に活用することは、点数をとれればいい、話せればいいという教育への変質を意味し、「人格の完成」という教育の目的を逸脱するに等しい行為です。
英語スピーキングテストのことで雑誌「前衛」から原稿依頼がありました。いまその準備で焦っています。
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