駆けある記

街路樹調査ツアー

こんにちは、日本共産党練馬区選出都議会議員とや英津子です。

昨年12月に街路樹調査のバスツアーを都議団で計画。藤井英二郎千葉大名誉教授、「エンジュを守る会」の前田眞代さん、「街路樹を守る会」の愛みち子さんに同行していただきました。

【行程】

神宮外苑経由、246青山通りへ⇒青山通りからみゆき通り(エンジュ街路樹の視察)⇒ みゆき通りから骨董通り経由六本木通り⇒ (2022年骨格剪定されたイチョウと枯れ枝剪定イチョウ双方の視察)⇒ 西麻布交差点より外苑西通り(広尾近辺の骨格剪定されたプラタナス視察)⇒ 外苑西通りよりプラチナ通りへ⇒ 都議会に戻り、控室でレクと質疑

【神宮外苑】

はじめに神宮外苑のイチョウ並木を見学。イチョウが建築物の基礎からかなり近い距離にあることで、5年、10年かけてダメになっていく。歴史的経過を考えれば伐採などということは論外だと力説していました。その通りです。

 

【公開空地の樹木】

途中、再開発ビルの公開空地に植樹されている樹木も見学しました。

ビルの高さ制限に関わり、階数かせぎのために緑地をつくるが…。

3~5年で上から枯れていく。とにかく建物を建てられれば良い。設計時にチェックをするが管理段階は放置。わずかな植栽基盤にぎっしりと植えるが、年数が経てばだめになるなど、大きな課題をかかえると指摘がありました。

【エンジュの並木】

住民の力で見事に再生したエンジュの並木を見に行きました。

強剪定を毎年繰り返し、樹勢が弱くなっていったことから、13年前に強剪定をやめてもらった。土壌改良も始めたそうです。都内で街路樹の土壌改良をしたのはここが初めて。

車線がほとんど樹幹で覆われ直射日光があたらず、日陰をつくる。

木漏れ日が降り注ぎ、美しい枝葉が木陰をつくっていました。

【傷だらけの街路樹】

都心の街路樹は謝った剪定によって傷だらけ、剪定する必要のない部分まで行っているため、無残な姿になっている木が多いのです。

よく見ると幹にこぶがあって枝元から細い枝が出ている木もありました。同じカ所で剪定が繰り返されるとこうなるそうです。このように樹木を粗末に扱うことは欧米や中国、韓国ではほとんど見られないとのこと。

行政の姿勢の違いを感じました。

【国立競技場の人工地盤】

かつて「四季の庭」があったところに過密に植え込まれた木々がありました。

藤井先生によれば、「植物に愛情がない」そうです。

【樹幹被覆率】

世界の大都市は樹幹被覆率といって、直射日光を路面に当たらないようにする方法を進めている。路面に直射日光があたると夏場は50~60度、覆われれば20度下がる。都は遮熱性舗装をやっているが10度しか下がらない。相当の費用がかかることを考えれば、街路樹を伸ばした方が安上がりという考え方は至極まっとうです。

世界の方向と全く違い、環境として良くない。4車線あれば、2車線はせめて木陰にするべきと力説していた藤井先生。

表参道のけやきは、特別扱いで大事にされているという話がありましたが、そののけやきも課題があるそうです。沿道の建築物を建て替える時に根を切られている。傷口がズタズタの樹木が含まれていると。

藤井先生からは、街路樹診断マニュアル3年前に改定し、都は樹木保護基準をつくった、このマニュアルは日本全体をリードしているから、これを進めるべきとの話がありました。

特徴⇒自治体作成の最も詳細なマニュアル。街路樹診断、根の保護のためのガイドライン。

初めて知ること、学ぶことがたくさんあり有意義な調査ツアーでした。

【これからも考えたい、街路樹のこと】

これまで、気にとめることがなかった街路樹ですが、今回の調査ツアーで、街路樹が果たす役割、重要性、一方で剪定を間違えれば街路樹を植えた意味が大きく後退すること、樹木を傷つけることが分かりました。

いま東京では、苦情がくるからと強剪定して、夏になっても枝も葉も伸ばさず何の木なのか、何のために植えてあるのかさえ分からなくなっている街路樹が多くあります。新しい道路の沿道にはつつじ、トキワマンサク、ハナミズキとお決まりの樹木が植えてあり、とても木陰をつくることは期待できません。

藤井先生によれば、プロの職員がいなくなったことで、知識も技術も受け継がれていない。街路樹と言えば、お決まりの葉が落ちない、枝を伸ばさないなど管理のしやすさを優先していることも問題だと指摘があり、その通りだと納得しました。


【雑感】

高島特別支援学校50周年記念式典に出席しました(式典のことは後日、報告予定)。

隣は都立赤塚公園で、式典の帰りに公園内を通って帰りました。

園内にはケヤキやもちろんヤマモモ、ヒマラヤスギ、クスノキ、イチョウなどなど様々な樹木が数メートルおきにありました。なかでもメタセコイヤはまっすぐに高くそびえ、頼もしいのです。

それほど大きな公園ではないけれど、樹木を楽しむことができた、と思ったらとんでもない。崖線沿いに広く公園がひろがり、二輪草の生息地であることが分かりました。私が通過したのは、テニスコートや野球場のあるエリアのみでした。

赤塚公園は、高島平団地の整備と同時にできたようで、高島特別支援学校と同じ設立年となっていました。この辺りは50年前に一体で整備されたことが分かりました。

機会を見つけてニリンソウを探しにいきたいものです。

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