駆けある記

こんな時に都立病院なくし独法化?!

 こんにちは、日本共産党都議会議員とや英津子です。

東京都がようやく各自治体ごとのコロナウイルス感染者数を公表しました。世田谷が44人で多く、練馬区は20人。

そして本日の東京の感染者は66人で、全国では265人でこれまでで最も多い人数を記録しています。自粛を余儀なくされ、業者やフリーの方々の深刻な状況が目に浮かびます。一刻も早く営業補償と給与、報酬の保障をすべきです。

さて、感染者が増加し医療現場は最前線で検査や治療にあたっています。ところが、こんな時に小池都政は都立病院8カ所と六カ所の公社病院を独立行政法人化することを盛り込んだ「新たな病院運営ビジョン」を公表しました。

不採算医療や困難事例にも対応してきた都立病院が事実上なくなれば効率化が優先され、医師や看護師の配置の後退は必至です。

都立病院は、都民の命と健康を支える上で極めて大きな役割を果たしてきました。例えば、都立墨東病院は、区東部二次医療圏、つまり、墨田区、江東区、江戸川区の地域での三次救急を一〇〇%引き受けています。島しょの救急患者の実に九割以上を、広尾病院を初めとした都立病院が受け入れています。
今大きな問題になっている新型コロナウイルス感染症の患者を真っ先に受け入れたのも都立病院、公社病院でした。

練馬区には都立病院はありませんが、医療過疎の練馬にとって隣の豊島区、板橋区にはいまは公社病院になっている豊島病院やかつての養育院である老人医療センターとなり現在は健康長寿医療センターに入院や通院しており、なくてはならない医療機関です。

ところが重要な役割を持つ都立病院を独法化する方針について、都民からの意見はほとんど聞かず独法化ありきで進めています。これが都民ファーストを標榜してきた小池都政なのかと思うと腹立たしく、呆れかえってしまいます。

都議団はこの事態をうけて、緊急で抗議声明を出しました。

以下のとおりです。

都立病院・公社病院の地方独立行政法人化方針の策定に抗議する

2020年4月1日
日本共産党東京都議会議員団
幹事長 和泉なおみ

 東京都は昨日、都立病院・公社病院を地方独立行政法人化する方針を定めた「新たな病院運営改革ビジョン」を策定しました。「ビジョン」は、2022年度内を目途として、地方独立行政法人を設立するとしています。日本共産党都議団は、都民のための医療を後退させる独法化方針の策定に強く抗議するものです。

1、都立病院・公社病院の独法化は都民の医療を後退させる

昨年12月に公表された「ビジョン」の素案へのパブリックコメントには、都からの財政支出の削減につながる独法化に反対する意見が多く寄せられています。
しかし、「ビジョン」は都立病院について、行政的医療等に「都民の税金が投入されて」いるとして、「最小の経費で最大のサービスを提供していかなくてはなりません」と書き、公社病院についても「コストの見直しを更に進め」、「都の財政負担の軽減にもつながって」いくとしています。素案の時と表現は変わっているものの、独法化の目的が東京都の財政支出の削減にあることは明らかです。
財政支出を削減すれば、都立病院・公社病院が行っている感染症医療、小児医療、救急医療、周産期医療など、民間の医療機関では対応が難しい不採算の「行政的医療」は後退します。
そもそも地方独立行政法人法は、3~5年の中期計画の期間ごとに業務の廃止や組織の廃止を含む見直しを行うことを定めています。にもかかわらず、「ビジョン」が独法化により「行政的医療をより一層充実していきます」、「地域ニーズに着実に応えるための医療を積極的に展開していきます」など、何もかもうまく行くかのように描いているのは、都民を欺くものです。

2、新型コロナウイルスへの対応の中、方針策定を強行したことも許されない

いま、都立病院・公社病院の現場は、新型コロナウイルス感染症への対応に必死に取り組んでいます。そんな中、病院への財政支出を削減し、医療を後退させる、「病院リストラ」と言うべき地方独立行政法人化方針の策定を強行したことは、考えられないことです。

3、都民の声に耳を傾ける姿勢もない

「ビジョン」の素案へのパブリックコメントには、1,511人の方から意見が寄せられ、その多くが独法化に反対するものでした。しかし、東京都はこうした反対意見にまともに耳を傾けることなく、「ビジョン」の策定を強行しました。
この間の都議会での論戦などからも、初めから独法化ありきで、パブリックコメントの実施は形だけのものだったことは明らかです。小池知事が都知事選挙の際に掲げた「都民が決める。都民が進める。」という公約に真っ向から反するものであり、断じて許されません。
日本共産党都議団は、都立病院・公社病院の地方独立行政法人化に断固として反対し、直営で拡充することを求めて奮闘することを改めて表明するものです。

 以 上

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