3/8練馬社会保障推進協議会の主催で、練馬公民館にて「日大光が丘病院の撤退に際し、安心な地域医療体制の存続と確保を求める」集会がおこなわれました。
今月末の日大による光が丘病院の運営終了まで残り一ヶ月を切りました。
3/9現在まだ、4月から地域医療振興協会の運営に必要な第一関門である事前相談計画書は東京都に提出されていません。
また、医師や看護婦の確保や引き継ぎが急がれます。
こうしたもとで開かれた集会では、練馬社会保障推進協議会の斉藤事務局長からの基調報告、役員である東京土建練馬支部阿部書記長の医労連、東京都からの聞き取りの報告があり、区議団から私がこの間の議会の動きについて報告させていただきました。
その後、患者の家族であるTさんから現在の切実な実態の発言を受けました。
斉藤事務局長の基調報告
経過報告として、日大撤退から地域医療振興協会決定、そして現在の状況の説明がありました。
広がる区民の不安と説明責任について、
「練馬区の約束は守られるのか」特に①医療の空白は生まない②現在の医療水準を引き下げない③入院患者は最後まで面倒みてくれるのかという最も基本的な要求で不安が広がっていることは重大です。
最終的な責任は練馬区にあり、この問題での説明責任を果たすべきです。また、4/1以降の計画についてビジョンを明らかにし、区民の不安を軽減するよう努めるべき。
日本医労連の元副委員長からの聞き取り
①今回の大学病院が撤退するという事例は全国でまれである。通常、大学病院は撤退でなく引き継ぐ側である。
②大学病院のような専門性の高い水準をそのまま引き継ぐことは不可能。スタッフが入れ替わるので同じ医療を 行うことができないのが通常。
③多くが撤退後空白が生まれ、1~2年かけて市民の運動で再開させることが多い。
④日本大学には区を通じて、現在の患者の不安を解消するように、最後まで面倒見るように徹底すること。
⑤今回の問題の責任は練馬区にあり、その点の追求が必要。日大を追いかけたり、振興協会をつめたりするのは 練馬区の責任でおこなうべき。
というものでした。
東京都からの聞き取り
①地域医療振興協会からの開設にあたっての事前相談計画書が出されているが、まだ正式なものになっていな い。最大の理由は日大からの引き継ぎができていないというもの。3/5から再開と聞いている。
②また、342床守れるのか、4つの重点医療ができるのかその計画も出してもらう。日大の医師数は現行12 0人規模であり、地域医療振興協会が現在70人(うち常勤60人)看護師200人と聞いている。規模的に は開設に必要な医師数をクリアしている。今後1年間で現行規模を確保するように1年間みていく。今後都と して2ヶ月おきに点検し、確実にやるかチェックしていく。
③東京都としての権限は病院の開設や閉院の許可、安全性の確保に関する問題。しかし今回の事態は重大であ る。練馬区はこれまでも病床数が少ない地域であることと、小児救急医療を日大病院が担ってきた役割は大き いから。東京都は342床が残ることを前提としている。小児救急医療については地域医療振興協会に期待し ている。
社保協としての運動と課題
今回の地域医療を守る運動で最大の確信は練馬区が①医療の空白を生まない ②医療の水準を下げない ことを区民に約束し、その条件で振興協会が選定されたことです。このことは、今後の運動の基礎となり、最大の担保です。
大学病院が撤退し、その後空白を生まないで後継病院が水準を維持して継承するという例は全国的にもなく、かなり難しい条件です。
しかし、この条件を練馬区が出し、地域医療振興協会がこの条件をふまえたことは、これまでの運動の成果であり、強い区民要求の反映です。
この到達をもとにして、以下の要求をかかげた運動をよびかけることを確認しました。
1.地域医療について責任は区にあり、現状の区民・患者や医療関係者の不安解消につとめ、ただちに次について説明を求める。
①新病院の条件とした4つの機能の確保について、それぞれの到達点を明らかに。
②日大光が丘病院と同等の規模・機能について、342床がどこまで確保されているのか。また診療科目の設定 はどうなっているのか。
2,今回の経過をふまえ、練馬区ならびに住民は地域医療について病院まかせにせず、行政・自治体・医療関係 者・地域住民・患者との共同したとりくみであることを確認し、定期的に光が丘病院の現状について区民に説 明することを求める。
今、特に患者さんの処遇が心配です。
日大から転院や退院を言われ、困り果てて相談にいらしています。
今回の最大の被害者は患者と区民です。区と日大・地域医療振興協会の3者が全力で患者さんの利益を守るべきとの立場で、力をつくしたいと改めて思っています。
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