駆けある記

子どもの意見を大事にする

こんにちは、日本共産党練馬区選出都議会議員とや英津子です。

私の楽茶碗の中にはむくろじの実が入っています。中の種子はお正月の羽子板のおもりにも使うそうです。とても可愛くてお気に入りですが、実だけいただいたので木は見たことがありません。一度見たいと思っています。

さて、今日は都議会で「子どもの意見を大事にするー相談現場から見えること」と題して学習会を持ちました。他会派にも呼びかけ、都民ファーストや無所属の議員さんの参加がありました。講師は豊島区権利擁護委員、東京都児童相談所協力弁護士、都児童福祉審議会委員などを引き受けながら、子どもシェルター「カリヨン子どもセンター」の運営にも関わる山下敏雅弁護士。

具体的な相談事例をもとに、子どもにとって大事なことは何かを学びました。

四人兄弟の2番目のA君は、父親から虐待を受け続けました。幼い頃から正座を3時間、しかもお盆を腕を伸ばして持たせたまま。父親はその間、彼が大切にしているゲーム機、おもちゃ、お母さんから買ってもらったサッカーシューズなどを壊すのです。妹たちの目の前で、この子たちはかわいいがおまえは可愛くないと言われたり。そのA君が中学生か高校生の時、内緒で買ってもらった携帯電話を父親に壊されとうとう爆発。そこから立場は逆転、A君の復讐が始まる。児童相談所保護されても逃げ出し、病院からも逃げ、結局見放される。

それでもA君に寄り添ってきた大人たちによって成長していく過程が感動でした。自立支援センターで暮らしながら、介護の勉強をして施設で働く。それでも虐待した父親が許せなくて裁判に。しかし最終的にあれほど虐待した父親に最後に宛てた手紙には、山下弁護士はじめ精神保健福祉士、自立支援ホームの人たちなどA君に優しく厳しく正面から向き合ってくれた人たちによって変わった彼の思いが綴られていました。

「どうしてこの人たちはこんなに優しくしてくれるのだろう」「人の優しさに理由はない」「その人が笑顔でありがとうと言ってくれた時の嬉しさ、単純だけどすごく価値のある言葉」などと言えるまで成長しています。

B君は、母親から虐待を受けて育つ。両親の離婚があり、中学生から荒れ始める。その頃から自分の興味が女性ではなく男性に向いていることに気づくが誰にも言えず、認めてももらえないまま。新宿2丁目をうろつき、お金ほしさに人のお金を盗み、二度も少年院へ。

C君は医者一家に生まれる。ゲイであることを自覚。医者になるよりパティシエになりたいと思うが親は認めてくれない。自分のセクシャリティを認めてくれない両親と兄弟におびえ家を飛び出す。

性のトラブルも多く、中学生のD君。やはり中学生女子を妊娠させてしまう。この子も父親からなぐられながら育ちました。

これらの事例に共通しているのは、育つ過程で大人がその子の人権を横に置いている、踏みつけにしていること。子どもの意見を聞いていないこと。途中で何度も大人が手をさしのべる機会があってもその機会に恵まれず、どんどん追い詰められていく。両親が離婚した場合なども子どもは誰と暮らすのか自分の意見はほとんど尊重されていないのが多い。また、子どもの成長にとって必要な情報、例えば性の情報、教育も大人が充分に提供してないことも問題。

概要のみ書きましたが、山下弁護士の講演は1時間40分。とても深くで実りあるものであっという間でした。

子どもの人権は守られているとは言い難い社会ですが、

「自分の人生を誰かに左右されることなく

誰かに支配されることなく

自分で選べる」そんな社会をつくっていきたいという山下弁護士。

同じ思いをみんなで共有しました。

 

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