駆けある記

八月を前に、被爆者を思う

こんにちは、日本共産党練馬区選出都議会議員 とや英津子です。

2日間連続で過去最多を記録した新型コロナウイルス新規感染者はとうとう3000人を超えました。陽性率も16.9%と高く医療提供体制も逼迫の危機。コロナ患者を優先すれば一般患者のベッドが不足することになり、どちらにしても崖っぷち。ここまできても菅首相は人流は減っている、オリンピックやめる気なし。常軌を逸していると思う人も多いのではないか。コロナだけではない、熱中症の危険もあるからさらに深刻です。

【平和展へ】

さて、都議選が終わって直後、「祝・核兵器禁止条約ねりま平和展」に行ってきました。広島市立基町高等学校の創造表現コースの生徒たちが被爆者の証言を聞きながら原爆の絵を制作しており、どうしてもみておきたかったから。まるでそこにいたかのように広島原爆被害が描かれ、鑑賞する私に迫り、引き込まれました。ここまで描ける生徒たちの想像力と技術に感服。多くの人たちに見てもらいたい作品です。

会場で、一冊のブックレット「被爆者からあなたに」をいただきました。そこには被爆者運動のあゆみがあり、高校生の絵と重なるものがありました。

 

【黒い雨裁判勝利】

広島への原爆投下直後に降った放射性物質を含む「黒い雨」により健康被害を受けた住民84人が、被爆者と認めた広島高裁の判決に対して、政府は上告を断念しました。このブックレットが出版された時にはまだ最新のニュースは飛び込んできておらず、「法制定(94年村山内閣時に制定された援護法)から四半世紀を経た現在、厚労省は「黒い雨」の被害者への対応についても…科学的・合理的根拠を追究すると公言しています。」と書かれています。被爆者・関係者のみなさんは、国の「受忍論」政策がいまなお被爆者対策の根底にあると述べています。

政府の受忍論が根っこにあることは、上告は断念したものの菅首相の「政府として受け入れがたい部分がある」との言葉に示されているのではないでしょうか。これまで国は「必要の原則」に従って適切妥当な救済措置をとればいいとして原爆被害への補償を拒んできました。

過去における原爆被害だけでなく、現在も未来もこれほどの犠牲を強いられてきたとしても「国をあげての戦争」なのだから、国民はがまんすべきだという立場です。

こうしたもと、被爆者は、原爆に対する批判も戦争責任の反省のひとかけらもない政府への怒りをバネに運動し、国を動かしてきたのです。

今年、1月22日、核兵器禁止条約が発効しました。

日本はこの条約に反対しています、アメリカの「核の傘」によって守られているといいます。しかし、「核抑止論」を振りかざして核大国が核兵器を持ちつづけ、その同盟国が容認しつづけた結果、広島と長崎に原爆を投下したときはアメリカだけだった核保有国は9カ国に増え、核弾頭数は1万3000発を超え実験も行われており、軍拡が進んできたのです。政府はこの実態をどう説明するのでしょうか。

被爆者の平均年齢は84歳を超えているそうです。残された時間は少なく一日も早い条約批准と全ての被爆者の救済を強く願います。コロナで今年は平和行進が中止になり残念でしたが、核のない平和な社会を築くためこれからも力をつくします。

 

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP