駆けある記

石神井まちづくり訴訟報告会へ

こんにちは、日本共産党練馬区選出都議会議員とや英津子です。

石神井公園駅南口西地区の再開発問題で、住民訴訟が起きていることを知ってもらいたいと思っています。

この駅周辺は長年話し合いを続けてきたまちづくりのルールがありますが、そのルールも無視した再開発が行われれば、まちが大きく変わる、壊れてしまう懸念があります。計画とは石神井公園南口駅前に100m超の再開発ビルと道路をつくるというものです。この計画に練馬区は45億円の再開発補助金、35億円の道路整備費、3~5階の床購入に30億円。合計110億円もの税金を投入しますが、ビルはほとんどが分譲マンションです。再開発反対の地権者の意見は取り入れられず、このままでは最終的に立ち退きを迫られることになります。さらに開発事業者の儲けのためにタワーマンションが建設されれば、そのために石神井の景観が犠牲になる。石神井公園の玄関口として住民がていねいにつくってきたまちづくりのルールを壊す権利が誰にあるでしょうか。

練馬区は、2021年度事業認可、2022年度着工、2026年度の竣工を目指しています。詳細はこちらをご覧ください→石神井公園駅南口西地区のまちづくり

裁判は今年3月からはじまりました。再開発事業認可の差止めと地区計画変更の取り消しを求める訴訟です。

地権者と地域住民で構成する原告団は練馬区と組合設立認可権者の東京都を訴えています。

先日、第3回口頭弁論の報告会がありました。

行政訴訟の場合、訴訟要件に関する論点(再開発組合設立認可差止)は三つ

  • 原告適格
  • 処分の蓋然性
  • 重大な損害

これらをクリアしてようやく違法性の問題に入れるということでした。

行政訴訟は訴えが適法であるための一定の要件を満たす必要がある。要件を欠く訴えは不適法なものとして却下される。

厳しいハードルがありますが、2004年に法改正があり、要件の緩和がありました。今回の訴訟では、原告適格の緩和と差し止め訴訟の法定(一定の要件の下で行政庁が処分をすることを事前に差し止める訴訟類型として差止訴訟を法定しました(3条7項、37条の4を新設)。)

少なくとも,これまでは厳格に運用されてきた回復の困難な損害の要件が緩和され,重大な損害があるものとして認容される可能性は十分にあり,執行停止による救済が可能になる事例が増えるものと期待される(東京弁護士会より)

しかし行政訴訟法は、違法性の論証だけでは済まないというのです。

裁量権の逸脱を証明することが必要、単に違法ではだめというのです。

裁量権の逸脱・乱用でなければならない、これを論証してようやく違法と判断してくれるということです。

弁護士からは、違法性についてはきちんと議論できるとの報告がありました。

なぜなら

高さ制限を緩和したことを練馬区はいっさい説明できていないから。

変更前地区計画は35mの高さ制限で10階~12階。変更後は100mこえるものができることになりました。

しかし、都市化計画を変更できるのは変更する必要性がある場合に限られる。

今回その事情が生じたのか。

9年間かけてつくった変更前地区計画、その後の状況の変化。

それを比較して変更前地区計画になかった事情が新しく発生した場合に限られる。練馬区の答弁が、変更前地区計画ができる前なのか後なのか。

平成24年に変更前地区計画は、開発をしても35mを前提としていた。区の答弁書には、高さ制限を緩和する必要がどこかにあったのか、書いていない。高さに関することは何も書いていない。132号線計画も、西武池袋線立体化も商店街の街並み整備にともなう用途地域の変更も平成24年の変更前地区計画の前からやってきたこと。高さに関して変更の必要性について触れていない。論点をずらそうとしている。

練馬区がきちんと説明できているとは思えないということでした。

高さ制限緩和の理由はいえない。書けないことはやるな!

質疑では、

★区は高さの除外はもともとできると主張している。50mはできるが、それすらもない、区長の決定でできると説明してきた。

★区は地区計画の変更に限って言えば本質的な変更をしていないという含意があるのでは。35mの高さ制限を区長の判断で50mまで許容するとしているが、なぜ要綱で50mなのかについて。行政内部の事務整理があったのではないか。

★いままでなかった高度利用地区の適用をかけてきたことが重要ではないか。高さ制限を変更した本音の部分、事業採算がとれないから高さ制限を変えた。これも疑ってかかった方がよいのでは。練馬区の本音はデベロッパーやゼネコンのうまみがとれないということではないか。事業採算だけを考えるのであれば、50mの中でもできたのでは亡いか。総事業費の半分くらいが税金。中高層でない再開発でやっても採算がとれるのではないか。

訴訟は二年くらいかかるということでした。単に地権者の利害だけに済ませられる問題ではではない、官が税金を投入して民間事業者に利益をもたらし、その結果住民が追い出され、多くの人が望まない待ちに変貌することになる可能性大です。これまで、日本中でこうした開発は行われてきましたが、いい加減にすべきです。

弁護団の報告終了後、第二部は…

【私たちのめざす石神井のまち】

建築士の清水氏からの報告。

1,都市計画道路補助232号線を止める

2,再開発事業を止める

下北沢の例の紹介がありました。

補助54号線第Ⅱ~第Ⅲ区間を優先整備路線からはずす方針を確定。

世田谷区・住民・鉄道会社と協働して北沢デザイン会議が誕生。

①補助54号線および区画街路10号線(駅前広場)についても周辺と調和した連続性のある街づくりを進め、歩行者に配慮する

②小田急線跡地(上部利用)については小田急と調整し公共的な空間となるよう整備を進める

③下北沢の良好な街並みの維持・発展に必要な対応をとる。

高架になれば駐車場くらいにしか使えない空間が地下にすれば様々な工夫をして気持ちの良い空間ができる。

石神井のまちでも…

1,車優先から人優先の社会へ

2,石神井のまちの価値の確認と価値を高める投資

3,232道路予定地を広場に

訴訟に勝って、住民主体のまちをつくろうという提案でした。前向きなとても共感できるものでした。

【区内で参考にしたいまちづくり】

この報告を聞いて思ったこと。

まさに西武新宿線立体化計画があてはまります。踏切除去を早期に実現し、地下化の検討を都が行って地上の有効利用をみんなで考えることができれば誰もが納得する、居心地の良いまちをつくれるのではないかと改めて思いました。

下北沢のまちづくりなど他自治体の取り組みを参考にしようという話は、新宿線立体化の運動を進める中で出ていた話ではあるのですが、コロナで思うようにいきませせん。時期をみてせひ行政と住民、そして鉄道事業者への聞き取り、まちあるきを進めたい。

最後は署名のお願いでした。区への陳情に再度挑戦をするという報告でした。

多くの人たちと一緒に取り組みたい。

 

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