こんにちは、日本共産党練馬区選出都議会議員とや英津子です。
師走になりました。都庁の外はすっかり木々が黄金色に染まり、次々と葉を落としています。
11月から定例火曜日にブログを更新しようと決めてから一か月がたちました。
今日は、前回に続いて決算特別委員会の質疑を紹介します。
12/2(火)~12/17(水)の会期で都議会第四回定例会が開催されます。今年最後の議会、各会派の代表質問、一般質問、そして補正予算や議案の審査が行われます。都民の声をしっかり届けていきます。
10月29日は介護施設の居住者支援特別手当と働く人の処遇改善、スポットバイトを取り上げ、最後に保育施設のゼロ歳児定員割れ問題を質疑しました。今回は最後の保育施設のゼロ歳児定員割れ問題について報告します。
◆保育園のゼロ歳児定員割れ支援について
ゼロ歳児保育を実施している保育所では、年度当初の定員割れに悩んでいます。4月に入園児が埋まらなくても年度の途中で入園希望があれば受け入れるので、保育士を確保し配置しておかなければなりません。その間、人件費は事業者持ちとなり、なんとかして欲しいという声が届いています。運営が厳しくゼロ歳児保育をやめる保育所もでている状況があります。
◆ゼロ歳児受け入れ園の実情
都内の保育所におけるゼロ歳児クラス定員の5年間の推移をうかがいました。
「認可保育所の0歳児の定員数は、各年4月1日時点で、R3は25,364人、R4は25,464人、R5は25,375人、R6は25,305人、R7は25,296人」と答弁。
だいたい25000人くらいを推移しているようですが、この数字はあくまで、都が認可した定員なので実際は、もう少し違う数字がでるのではないかと思います。それは、年度当初のゼロ歳児の定員割れがあって、保育所によっては認可定員はそのままで、一歳児や二歳児に活用する場合があるからです。そこで、
都内の保育所でゼロ歳児クラスを一歳児一年保育や二歳児クラスに転用している自治体はどのくらいあるか。また緊急一歳児等受け入れ支援事業の昨年度の実績を聞きました。
答弁は、「保育所の定員は空きが生じることあり、都は詳細な把握しておらず。区市町村は入所調整し、年度途中にも児童を受入。令和6年度、緊急1歳児受入事業で11区市に交付決定」
転用は保育園だけの判断ではできません。そして空き定員については区市町村が調整するということですが、その区市町村によって補助などに格差があるのです。賃金を上げたくても定員が埋まらないと賃金の保障が難しく、ベースアップもできないそうで一時金で調整するしかないという話も聞きます。半年でもいいから補填ができないかと切実な声が上がっています。
◆公立・私立問わず、都としてゼロ歳児定員に応じた定額の収入を保障する補助をすべき
都は保育所が0歳児の空き定員を活用し1歳児を受入れる取組等を支援しています。そして就労等の有無に関わらず空きスペースを活用し子どもを定期的に預かる取組をしているといいます。
ですが、一歳児の受け入れに活用することは解決策になりません。また、就労等の有無にかかわらずあずかる事業も、定員の空きを活用して行うのは様々な困難がありますし、空きがなくると利用し続けられなくなってしまうというのは望ましくなく、定員割れによる減収対策と位置付けるべきではありません。有効な対策が打たれない中で、ゼロ歳児の定員を減らす動きもあります。
一歳児に待機児が多いのは事実ですが、このままゼロ歳児の定員が減ればゼロ歳から預けたくてもあずかれない事態が生まれかねません。これまでも保護者が認可園でなく認可外保育施設に入れざるを得ないという事例がありました。それが
練馬区での認可外保育室に預けざるを得なくて、亡くなった若草ベビールームの事例です。この保育室で7年前の10月、赤ちゃんの死亡事故が起きました。取り返しのつかない事故です。
◆若草ベビールームの教訓は…
その事故の教訓についてうかがうと…。
答弁は「平成30年10月、練馬区内の認可外保育施設で発生した午睡時の死亡事故については、令和2年3月、事後的検証委員会から検証結果及び提言が報告。 都は、提言を踏まえ、睡眠中の事故防止策について、保育所等に対してリスクへの意識喚起を行っているほか、従来より実施している講習会においても注意喚起。」
この若草ベビールームは認可外の保育施設でしたが、都から何度も行政指導がありましたが、従うことがなかったようです。保育士資格保有も園長のみでした。
確かに直接的には上記のような教訓でしょう。しかし、こうした事故が起きた背景には、認可保育施設を希望しても入れないという待機児問題があることを忘れてはならないと思います。東京都も練馬区も待機児は減った、ゼロになったといいますがそれは違います。
保護者は「本当は認可保育園に預けたかったがゼロ歳の途中入園は空きがなく、仕方なく無認可園に預けた」と語っています。
練馬区ではこうした事態があったにも関わらず3園のゼロ歳児クラスの閉鎖・削減をしてしまいました。
ゼロ歳時クラスは年度の途中になるにつれ、定員は埋まっていきますが保育所の運営上の都合でクラスを閉鎖したり一歳児や二歳児に振り替えたりすれば入園できない子が出てきます。ゼロ歳児が待機児はないというのは事実ではありません。十分な定員を確保できるよう都として保育所への定額補助などで支援して、保育の質を守り抜くよう施設への支援などの強化を求めました。
さらに今日の質疑では、こうした施設にスキマバイトがはいればさらに保育の質が後退する可能性があるのに指導の通知もいかないのでは同じ過ちを繰り返すことになりかねません。
子どもの成長・発達を保障するため良好な保育がどこでも行われるよう都として尽力をしていただくよう求めて質問を終わりました。
【雑感】
夜になると議会棟の前は第一庁舎を照らすプロジェクションマッピングとイルミネーションが賑やかです。2011年は福島原発事故でまちは暗くなりましたが、あれから事故は収束したわけでもないのに、国も都も電力需要に応えると原発回帰。これでいいはずないよ、とぶつぶついいながら歩いています。







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