駆けある記

赤ちゃんの命を守るためにー認可外施設の死亡事故から

こんにちは、日本共産党練馬区選出都議会議員とや英津子です。

枝の中にいる餌をじっと見つめる「しじゅうから」かわいいです。 撮影 内藤豊通氏

今日は急に冷え込みが厳しくなったようで、思わずストーブを出したくなりました。

決算特別委員会報告続き。10月22日は福祉保健局関係の質疑でした。

以前もブログで書きましたが10月3日、練馬区内の認可外施設である「若草ベビールーム」で6ヶ月の赤ちゃんが亡くなりました。私は、6月の第二回定例会で大田区の赤ちゃんの死亡事故を取りあげたばかりでしたので、とてもショックでした。

一般質問で小池知事は「赤ちゃんの死亡事故はあってはならないこと」と答弁しました。けれどもまた起きてしまいました。いったい何人の子どもの命が犠牲になれば死なないで済むのか。

どうすれば、赤ちゃんの命が守れるのか。

今回の質疑では、当面都がやれることとして、東京都の指導監督基準の内容に踏み込みましたが、それ以前に立ち入り検査にあたる人員体制がうすすぎることが問題だと思いました。そこで指導監督体制の強化を求めたのですが、都の答弁は冷たく、巡回指導に入っているからと職員を増やす気はさらさらないようでした。巡回指導員が20名10班体制ですべての認可外保育施設をまわって支援し、この間体制も拡充されてきたことは前進面であり歓迎しています。それでも法令に基づく立ち入りは年間全施設の20,1%と低すぎるのです。

さらに、この間の赤ちゃんの死亡が午睡時や睡眠時に高い確率で起きていることから、ゼロ歳児については5分間隔での見守りの徹底を求めました。練馬の場合を含めこの間死亡した施設の見守り体制はとても緩く、15分、30分、60分間隔となっていたのです。また、認可外では施設に定員の定めがないところが220カ所もあり大問題です。定員をきちんと設定することを求めました。定員がない保育施設については、今回はじめて知ったことで驚きました。計画的・系統的により良い保育をしようと思えば定員がないなどとは考えられません。

かつて大問題になった「ちびっこ園」では各園に定員を設けていませんでした。入園申し込みを断ることを法人が厳しく禁止していたのです。その結果一枚の布団にこども二人が寝かされ生後八ヶ月の子が生後四ヶ月の子に覆い被さり、鼻腔部閉塞で亡くなってしまったのです。保育の質を守るには定員だけが問題ではありませんが、大きな要素であることは間違いありません。

指導監督基準については、三人以下の施設の例外規定として保育士、看護師、家庭的保育研修終了者である場合は乳幼児三人までは一人の配置で良いとなっていますが、これを見直して常時複数体制とすること。認可外施設にも保育士を10割配置することを求めました。三人の子どもを一人で保育して災害が起きたり、心肺停止になったらどうするのでしょうか。トイレにも行けないではありませんか。赤ちゃんの命を守ることは、保育士さんを守ることでもあると思います。

今回、いくつかの要求をしましたが、これらが全て取り入れられたとしても根本解決にはならないと思っています。認可外施設は24時間型のものや事業所内、院内、そして小規模な昔ながらの保育施設がありますが、それらの施設には国も都も公立や認可の保育園のように税金を使っていません。それでも待機児があふれる中、受け皿の役割を果たしているのですが、保育料は高くならざるを得ず、過酷な労働のため保育士さんも集まらず、長続きしないという矛盾を抱えています。

保育士さんの安すぎる賃金をはじめ処遇の抜本的な改善、経験豊かな人と若い人のバランスがとれた充分な数の保育士の配置、子子ども一人あたりの面積の改善などやるべきことはたくさんあります。認可外施設は認可施設に移行できるよう支援が求められています。

何よりも、公立・認可の保育施設の増設で待機児を解消し、安心できる環境をつくるべきです。

そして、この国を担っていく未来の主権者を育てているんだという自覚を国も都も持って、子どもにはもっとお金をかけなければいけないと思うのです。

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