駆けある記

二つの映画「山懐に抱かれて」、「アイたちの学校」を観て

こんにちは、日本共産党練馬区選出都議会議員とや英津子です。

選挙が終わりゴールデンウィークも明け、議会準備が始まっています。私は3日間、近県で休暇をとりました。そしてもう一つは観ておきたかった映画を観にいきました。一本はポレポレ東中野で上映中の「山懐に抱かれて」です。夫婦と7人の子どもたちの酪農大家族の24年間を追ったドキュメンタリー。

テレビ岩手の開局50周年を記念しての映画化です。普段ドキュメンタリーはあまり観ないのですが、この映画は心を打たれ観て良かった。自然の力を最大限活用した酪農「山地酪農」を提唱した植物生態学者の猪原博士の教えを受けたお父さんが千葉県から岩手県に移り住み、家族総出で酪農を営みます。お金では買えない愛情をたっぷり受けて豊かでまっすぐに成長してゆく子どもたちが可愛くてたまりませんでした。一方、歴代日本政府は国民にとって大事な農業を切り捨ててきており、厳しい自然を相手に採算が合わず次々と撤退を余儀なくされる酪農で食べてゆくのは困難です。成長する子どもたち、両親の葛藤やジレンマもリアルに描かれています。笑ったり、涙したりの約2時間でした。

 

 

もう一本は「アイたちの学校」です。これはご案内をいただき、今日区内で試写上映されたものです。仕事帰りに寄りました。

朝鮮学校への差別的扱いと生徒はじめ関係者の裁判闘争などを取りあげた映画です。

日本が朝鮮半島を植民地化した1910年当時、約200万人の朝鮮人がこの時日本に連れてこられ、その一部の人たちは戦後も帰ることが出来ずに日本で生きてきました。在日朝鮮人は子どもたちに民族教育を行うため戦後、全国各地に国語講習所を設立し、朝鮮学校に発展させますが、GHQと日本政府によって1948年、49年に朝鮮学校閉鎖令を出して弾圧しました。このとき反対運動に参加した朝鮮人2名が警官隊の発砲によって犠牲になりました。これが4・24(サイサ)阪神教育闘争です。民主党政権時に高校授業料無償化が行われましたが朝鮮学校は排除され、東京でも大阪でも学校に対する補助金の支給を停止したままです。

自分がどこからきたのかルーツを探り、祖国の歴史や文化、母国語を学ぶ民族教育は、一人の人間のアイデンティティを確立する上で欠かせないものです。しかし、日本政府はそれを否定し排除する。映画の中で元文部次官の前川喜平氏は「官製ヘイト」と言いました。どの国に生まれても人間として成長するために必要な教育を受けさせることは、国や自治体の当たり前の責任なのに。歴史の真実に向き合わない差別を続ける日本政府とそれに追随する裁判所が情けなくてやりきれない思い、怒りがまた沸いてきました。

練馬で上映会を予定しており、実行委員会が立ち上がります。

 

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