駆けある記

練馬城址公園(としまえん)計画はどうなったか①

こんにちは、日本共産党都議会議員とや英津子です。

今日は日中、気温が上がりましたが、夜、都庁を出ると涼しい風が気持ちよく新宿中央公園を抜けて西新宿5丁目駅まで歩き帰宅しました。

今、都議会は決算特別委員会、各常任委員会の事務事業質疑真っ最中です。決算では第三分科会に所属する私は、これまで港湾局、建設局、都市整備局の質疑を行ってきました。来週は、決算、事務事業に加え、マラソン、競歩の札幌開催案をめぐり混乱の渦中にあるオリンピック・パラリンピック特別委員会が臨時で開かれることになり、月曜から超多忙な日々がまたはじまります。

10月28日の委員会ー10時30分~オリンピック・パラリンピック、ラグビーワールドカップ準備特別委員会

13時~決算特別委員会(環境費で質疑)

建設局の質疑で取りあげた、練馬城址公園(豊島園)計画について、質疑の骨子を数回に分けてお知らせします。

としまえん遊園地は私も子どもの頃よく行った場所であり、自分の子どもたちも連れて楽しんだ場所です。それだけに、都市計画公園として整備することには関心もあり、区民のみなさんからもご意見をいただいてきました。

以下紹介します。

としまえんの都立公園化についてお尋ねします。

Q1、としまえんを中心とした一帯は、今から半世紀以上も前の昭和32年、1957年に、練馬城址公園として都市計画公園の指定を受けました。その後長い間、公園化の動きはありませんでしたが、2011年12月に都がつくった「都市計画公園・緑地の整備方針」において、2020年までに事業認可をめざす優先整備区域に指定されました。

 しかし、実際に整備をめざす動きとその内容は、練馬区民の目には見てこないというのが率直な実態です。そこで決算の対象である平成30年度の検討状況について、お伺いします。

A1、事業化に向けて整備計画等について検討。

Q2、としまえんをはじめとする一帯をどのような都立公園にしていくのかという、整備計画ですが、平成28年度及び、平成29年度には、本格的な委託をかけて調査を行い、報告書を作成していると思います。この二つはどのようなものですか。違いはありますか。

A2、・平成28年度は、整備計画案検討のために、基本計画案のとりまとめを目的とした実施。・平成29年度は、平成295月の東京都公園審議会答申をふまえ、民間活力の導入や防災機能の強化等について検証し、28年度委託成果の修正を目的として実施。

平成28年度は整備計画案を検討するために、基本計画案をまとめるための調査が行われていたということです。

実際、この年の12月に発表された都の2020大会までの四年間に集中して取り組むべき課題と目標を示した「都民ファーストでつくる新しい東京~2020年に向けた実行プラン~」では、平成30年度には、練馬城址公園の整備計画を策定する、とされていました。

開示請求で、平成28年度の委託調査および、そのときの委託業者と都との打ち合わせ記録を入手しましたが、平成28年7月から年度末の3月にかけて、26回にも及ぶ打ち合わせが行われ、その内容もたいへん綿密なものです。

そして、つくられた計画も、開示請求ではかなりの部分が黒塗りになってはいるものの、開示されている部分からみえてくる公園の姿は、「子どもから大人まで、自然とともに遊び、自然のなかでくつろぐ公園」という基本理念をかかげ、直接土にふれ、農業体験ができる畑のエリア、都心になかなかないようなアップダウンやせせらぎのある小道での散策が楽しめる雑木林のエリア、地形や樹木を生かした冒険的な遊びも、幼児が遊べる広場もある、子どもたちにとって健やかな成長の促進にもつながる森の冒険エリアなど、ひじょうに多彩であるだけでなく、子どもから大人まで、都心ではなかなか味わえないような豊かな体験ができる総合的なプランが示されています。

同時に、公園でつくった農産物を提供するレストラン、石神井公園沿いには、オープンカフェやレストランなど人がつながり、くつろげる場所も考えられ、さらにとしまえんでも大変人気があるカルーセルエルドラド、いわゆる回転木馬をつくり、にぎわいもつくりだそうとしており、そのなかには一定の民間活用も想定しているのではないかと見受けました。

しかし、平成29年度につくられた報告書で描かれる公園のプランはどうでしょうか。先ほど、都は、「28年度委託成果の修正を目的」として実施したとおっしゃいましたが、「修正」という言葉にふくまれるような一部手直し的なニュアンスに収まりきらない、抜本的な改変となっています。

平成29年度のプランでは、「畑のエリア」「雑木林のエリア」はまったく消えてしまいました。一方で、にぎわいゾーンとされるエリアは、広場エリア4㌶、森と遊園地エリアは7㌶、あわせて11㌶され、平成28年度には同じような性格をもつと思われるコミュニティゾーンが0.7㌶から抜本的に広がっています。

 平成29年度の平成29年5月の公園審議会の答申は、「都立公園の多面的な活用の推進方策について」というものですが、多面的な活用という言葉がゆがめられ、民間活力の導入、すなわち、どうしたら民間企業が参入しやすいか、が優先されて、平成28年度の調査で示された豊かな姿が失われてしまったのではありませんか?

そもそも平成29年度の調査の第一回打ち合わせで都は何と言っているか。「これまでの計画は参考にする程度」でよい、こういっているのです。今までのつみあげは何だったのかといわざるを得ません。検討を進めてきた都の職員の方、委託業者の方も、やるかたない思いでいっぱいだったのではないでしょうか。

そして、その内容も、「多面的な活用の方針」がめざすような、多面的なものとなっているのか。たとえば、この方針では自宅、学校や職場のあいだにあるサードプレイス、自分を取り戻す場所の重要性を強調し、「集い・交流し楽しむことや、子どもも大人も遊び・学び・体験すること、あるいは一人で自然・景観を眺めながらゆったり過ごすなどが考えられる」と言っています。

畑のエリアや雑木林のエリアをなくしてしまったのは、こうした、子どもや大人にとっての学びや体験の場、自然を眺めゆったりする場をなくすことになるのではないでしょうか。いま、都が進めていることは、率直に言って「民間活用先にありき」で、都立公園のもつ豊かな可能性をむしろ狭めている、都民の多面的な経験を大切にすることがないがしろにされている危険がある、こう指摘せざるを得ません。

都立公園に求められる防災機能を万全に確保するという角度からも、都の「民間活用先にありき」の姿勢には不安を感じます。

つづく

 

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