駆けある記

関東大震災100年 朝鮮人虐殺を現在に問う練馬の夕べ①

こんにちは、日本共産党都議会議員練馬区選出都議会議員 とや英津子です。

今年は関東大震災100周年です。

この震災で10万5千人にのぼる死者や行方不明者がでました。今年は各地で、防災関連の様々なイベントが開催され、東京都はHPに特設ページも設けています。

しかし、忘れてならないのは震災時に虐殺された6000人以上にもなる朝鮮人のことです。

小池知事はこの事実を無視し、9月1日に行われる追悼式典で自然災害で亡くなった人と人災で亡くなった人を同列に扱い、追悼文を送らないと表明しています。歴史に向き合わない誤った姿勢です。

8月20日、練馬でも「関東大震災100年―朝鮮人虐殺を現在(いま)に問う練馬の夕べ」が開催され、参加しました。

第一部は映画「関東大震災朝鮮人・中国人虐殺記ー隠された爪痕」上映、第二部は「関東大震災朝鮮虐殺と植民地戦争」と題して慎蒼宇法政大学社会学部教授の講演でした。

「隠された爪痕」について

第一部の映画は1982年、「まだ遺骨が埋まっているかもしれない」という地元住民の証言を元に、「1日一ヶ所掘って埋め戻す」「試掘個所は3か所」という条件付きで発掘調査荒川河川敷で虐殺犠牲者の遺骨試掘作業が行われました。その様子と、虐殺当時の生存者や目撃者の証言を収めた貴重な記録映画です。

最後に日本人証言者の一人である老人と朝鮮人のアボジさんが並んで立った姿と、意図的にかくされ、風化してゆく虐殺の事実を、子々孫々にまで語り伝えたいと言うところが印象的で、なんとも言えない気持ちになります。

この映画で想像力を引き出され、当時の虐殺の悲惨さ、日本と言う国の愚かさ、罪深さを改めて知りました。「朝鮮人が井戸に毒を入れた」「朝鮮人が井戸に毒を入れた」「2000人の朝鮮人が武器を持って襲ってくる」など根拠のないうその情報が広がり、虐殺にまで発展する。これは決して震災という混乱の中で自然と湧き出たデマややむなく殺したのはなく、日本が植民地支配をする中で、朝鮮や中国の民族を卑下し、殺してもいいのだという認識のもとで仕組まれた虐殺であることを忘れてはならない。そして、その中で一般の人々もデマに流され、恐怖から共犯者になり傍観者になることがあるのだということも胸に刻むことが求められているのだと教えてくれる作品です。

発掘調査の結果、遺骨は発見されませんでした。当時の新聞報道でも伝えられたように警察が何度か遺骨を掘り出して他の場所に移したとも考えられ、真相は今も明らかになっていません。日本はこれだけの大罪を犯しておきながら、今なお反省も謝罪もしていません。この姿勢が、遺骨を掘り出し移動するという罪を重ねることにつながっているのではないでしょうか。そして、関係国との関係も悪化させる要因になっているのです。

続く(次回は慎蒼宇先生に講演について)

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP