駆けある記

羽田新ルート、「固定化回避」は名ばかりだった!

こんにちは、日本共産党都議会議員(練馬区選出)とや英津子です。

都議会第三回定例会では、大山都議が代表質問で羽田問題を質問しました。

Q1 羽田新ルートの運用が開始され、騒音の測定結果が明らかになりました。新宿区立落合第2小学校では、国の想定を上回っています。住民からは「自宅で仕事をしているが、うるさくて仕事にならない。二重窓にしたら百万円かかった」などの声が出ています。
わが党の品川区議団が実施した区民アンケートには、3千通をこえる回答があり、「テレビの音が聞こえない 」「テレワークに集中できない」「ストレスになる」などの声が多く寄せられています。 知事は、住民のくらしや仕事、健康に実際に被害をもたらしている新ルートによる騒音被害について、どう認識していますか。

A(都市整備局長)まず、羽田空港の新飛行経路における騒音についてでございます。運用開始後、騒音や撤回、改善要求などにつきまして、都にも意見が寄せられております。国は、騒音影響の軽減策といたしまして、飛行高度の引き上げや低騒音の導入促進を図るための着陸料の見直しなどを図ってきております。都と致しましては、引き続き、国に対し、騒音対策の着実な実施を求めてまります。

Q2 地域住民や地元区の要望を受けるかたちで、「羽田新経路の固定化回避」という名称の検討会が、6月に設置されました。しかし固定化回避は名ばかりで、実際は都心上空の低空飛行が大前提とされています。都は、その事実を認識していますか。

A、(都市整備局長)羽田新経路に関する検討会についてででございます。国は、地元区の意見等を踏まえ、本年6月に羽田新経路の固定化回避に係る技術的な方方策について検討する会を設置いたしました。本検討会におきましては、最近の航空管制や航空機の技術革新の進展を踏まえ、現在の滑走路の使い方を前提とした上で、騒音軽減等の観点から見直しが可能な方策がないかにつきまして、技術的観点から検討を行うこととしております。都といたしましては、国において適切に検討が進められるものと受け止めております。
Q3 住民や地元区の不安に真剣にこたえるなら、新ルートは撤回するしかありません。新ルート撤回を国に求めるべきです。知事の答弁を求めます。

A,(都市整備局長) 羽田空港の新飛行経路についてです。東京が活力を持って将来への発展を続けていくためには、国内外に豊富なネットワークを有する羽田空港の機能強化を図ることが不可欠でございます。新飛行経路の導入にあたり、都は国に対して丁寧な情報提供や騒音影響の軽減、安全管理の徹底を求めてまいりました。それを踏まえて、国は住民説明会の実施や低騒音機の導入促進、落下物防止対策の義務づけなど、さまざなま対策を実施して運用を開始いたしました。

 運用開始後、国はさらに、新飛行経路下における航空機騒音の測定結果の公表を行っております。都と致しましては、引き続き、国に対し、都民の理解がさらに深まるよう、丁寧な情報提供や騒音、安全対策の着実な実施を求めてまいります。

以上が質問・答弁です。小池知事は答弁に立ちませんでした。

しかし都が住民からの意見が寄せられていることを認め、答弁したことは重要です。

新ルート決定の引き金になったのは、昨年8月の国の協議会です。多くの苦情や不安、反対の声が寄せられているにもかかわらず、この協議会に都の副知事が出席して、騒音や落下物対策、説明会などこれまでの国の取り組みを評価して三月から予定通り新ルートを実施するよう要望したのです。落下物はなくならならないし新ルート直下には住宅、学校、保育施設などが数多くあり、火力発電所もルート付近に存在し、重大な二次被害も懸念されていました。しかし、「地元の理解」得たという都の発言が国の窮地を救いました。都民の反対の声を知りながら国と一体になって新ルートを強行した都知事の責任は重大です。

固定化は「名ばかり」

国は、新ルート見直しを求める声の広がりをうけて、「羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会」を今年6月に設置しました。ところが、この検討会はまさに「看板に偽りあり」なのです。検討会名に「羽田新経路の固定化回避」と付けられていますが、実は新ルートそのものを見直すことは対象とされていません。国にも確認したところ「新ルートは前提であり、見直し対象ではない」と明確に回答しました。新ルートには一切手を付けないのです。今回の都議会代表質問でもはっきりしました。

住民は諦めない

住民は、本格実施されても諦めていません。新ルート取り消しを求める住民集団訴訟が行われたことをはじめ、品川区では「品川区民投票条例」を制定するために法定署名の準備が始まっています。練馬でもこれらの運動と連携し、論戦でも、住民運動でも力をつくします。

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